青山 貴(IL DEVU/バリトン)

“フトメン”たちとOEKの共演ふたたび!

左より:大槻孝志、望月哲也、青山 貴、山下浩司、河原忠之

 日本のオペラ界を背負って立つ男性4人と歌を知りつくしたピアニストから成る、堂々たる体格の“フトメン”5人組「IL DEVU」(イル・デーヴ)。二期会のコンサートで結成された彼らが、不動のメンバーで6周年を迎える。
「素晴らしいリリックテナーである望月哲也さんと美声で力強いテナーの大槻孝志さん、それぞれタイプの違うお二人が高音を響かせ、安定感のあるバスバリトンの山下浩司さんが下からしっかり支える。その間に位置するバリトンの自分は、メロディを歌った次の瞬間にはアンサンブルに加わったり、素早い切り替えが求められるので結構たいへん。でもバッチリな編成です…それに河原忠之さんのピアノは当然ながらチームの要」と語るのは最年少メンバーでこの人気ユニットのムードメーカーでもある青山貴。
「あの“国際的イケメン”4人組には負けますが、おかげさまで女性ファンも増えました。東京から追いかけて地方公演まで聴きに来て下さる熱心な方もいらっしゃいます…嬉しいですね!」
 これまでに2枚のアルバムを発表。多忙なソロ活動の傍ら、5人揃ってのコンサートも精力的に続けて来た。9月には、垣内悠希指揮オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と一緒に彦根市での公演が控えている。
「オーケストラをバックに歌うイタリア古典歌曲やナポリ民謡には新鮮な魅力があります。OEKとは前回2016年の1月に金沢と東京で共演した時に、僕らも凄く贅沢な気分を味わうことができました」
 ひこね市文化プラザの公演は彦根城築城410年を記念する特別な演奏会でもある。
「今年は松江に姫路、そしてまた松本公演もあり、『まるで国宝のお城を巡るツアーだね』とメンバーみんなで盛り上がっています。ぜひ彦根城の天守閣にも登りたいですね。プログラムにはOEKによる『おんな城主 直虎』などNHK大河ドラマ・テーマ特集などもありますのでお楽しみに。地元の児童合唱団との〈フニクリ・フニクラ〉にもご期待ください」
 アルバム収録曲を中心に、オーケストラ編曲ならではのダイナミックな歌唱表現が楽しめそうだ。
「先日、今回初めて披露する〈花は咲く〉の編曲された楽譜を見せていただいてワクワクしました。個人的にもずっとやりたかった曲ですし、4人で歌い継いだらきっと素晴らしくなるはず。指揮者の垣内さんとは初めてですが、ウィーン在住の素晴らしいマエストロと伺っていますので今から楽しみです」
 もちろん、後半にはピアノ伴奏だけの元祖IL DEVUスタイルの楽曲も用意。
「将来的には河原さんの指揮による4人のアカペラ曲などにも挑戦したい…夢は膨らみますね」
取材・文:東端哲也
(ぶらあぼ2017年8月号より)

イル・デーヴ with OEK
2017.9/9(土)15:00 ひこね市文化プラザ グランドホール
問:ひこね文化デザインフォーラム0749-23-3383 
http://hcdf.jp/