銀座ぶらっとコンサート #124 通崎睦美(木琴) 〜にっぽん!〜

銀座で味わうノスタルジックな魅力

C)平野 愛

 「買い物ついでにクラシックでも…」。そんな気分にばっちり応えてくれるのが、昼下がりの「銀座ぶらっとコンサート」。8月の第124回は「にっぽん!」をテーマに、通崎睦美が登場する。
 通崎といえば音楽家としてのみならず文筆家としても、またアンティーク着物のコレクターとしても著名な才人で、感性豊かなライフスタイルそのものが多くの人々を魅了している。もともとマリンバを弾いていた通崎だが、戦前にアメリカに渡り木琴奏者として活躍した平岡養一(1907〜81)の愛器と楽譜を譲り受けたことをきっかけに、近年は木琴の新たな可能性も開拓しており、平岡の生涯を掘り起こした評伝も高い評価を受けた。
 今回は1935年に製作されたこの平岡の名器をひっさげての出演となる。曲目も山田耕筰から始まって民謡や親しみやすいメロディが並んだ。どこか懐かしく愛らしい木琴の音色で紡がれる旋律の数々は、大正・昭和期の銀座の歴史とも共鳴しながら、私たちを古き良き時代へとタイムスリップさせてくれることだろう。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ 2017年8月号から)

2017.8/23(水)13:30 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
http://www.ojihall.jp/