2016年度のサントリー音楽賞および佐治敬三賞の贈賞式が6月26日に都内で行われ、第48回サントリー音楽賞を受賞したピアニストの小菅優と、第16回佐治敬三賞を受賞した雅楽演奏団体「伶楽舎」のメンバーが出席した。
(2017.6/26 東京都内 Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE)
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会と全曲CD録音を敢行したことが評価された小菅は次のように述べた。
「ベートーヴェンは留学時から自分の気持ちをいちばん表現できる作曲家。20代でこのプロジェクトを始めることについては、周囲からは反対の声もあったが、頑固に説得して理解してもらった。この演奏経験が音楽的にも人間的にも私を成長させてくれたと思う。近年は現代作品にも力を入れており、これからも日本の音楽界の発展に貢献していきたい」
昨年11月に武満徹「秋庭歌一具」を勅使川原三郎・佐東利穂子のダンスとの共演で上演し、高い評価を得た伶楽舎からは、音楽監督の芝祐靖が登壇。宮内庁楽部に在籍した後、1985年に伶楽舎を設立した芝は、「宮内庁で時に洋楽を担当することがあり、それをきっかけに作品を書くことになった。そこから現代作品の世界に引きずり込まれてしまった。古典だけでなく現代作曲家たちによる雅楽の新曲を演奏する我々の活動が評価されて嬉しい」と喜びを語った。
贈賞式の最後に、芝が復曲・構成した「露台乱舞」のスペシャルバージョンが伶楽舎のメンバーにより披露された。
サントリー芸術財団
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