FUKUSHIMA 白河版オペラ《魔笛》

“和洋融合”のファンタジックなオペラ

 《魔笛》を、『ドラゴンボールZ』『聖闘士星矢』などのヒット・アニメの脚本家・小山高生がリメイク。と聞いただけで、なにやら面白いことが起こりそう。物語の舞台を日本に読み換えた上演は、昨秋オープンした福島県・白河文化交流館コミネスの「FUKUSHIMA 白河版オペラ《魔笛》」だ。
 同じスタッフが制作して宮城県多賀城市で初演した『魔法の笛』をベースに、ディテールをカスタマイズ。ご当地・白河を舞台に、タミーノは「民の王子」、パミーナは「小峰姫(コミーナ)」として登場する(コミーナは会場名「コミネス」が由来)。また、原作の筋立てを尊重しつつ、背登修(セトス)というオリジナルの役を追加し、パミーナの父(つまり夜の女王の夫)である彼が、ザラストロに実の娘の誘拐をもちかけた、という物語全体の伏線も埋め込んだ。
 面白おかしいだけではない。愛、勇気、成長、和解がテーマのこのオペラに、震災復興への歩みを重ね、震災をテーマにした壁画制作で知られる画家・加川広重らが舞台美術を手がけた。音楽面では、現代作曲家としても活躍する杉山洋一の編曲・指揮というのが目を引く。出演歌手は新海康仁(タミーノ)、文屋小百合(パミーナ)、倉本晋児(ザラストロ)、早坂知子(夜の女王)、髙橋正典(パパゲーノ)ほか。
 子供向け上演も多いメルヘン・オペラに、なるほど、日本が世界に誇るアニメ文化の視点を利用しない手はない。見逃せない、というか、ぜひ理屈抜きで楽しみたい上演だ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

3/20(月・祝)14:30 白河文化交流館コミネス
問:白河文化交流館コミネス0248-23-5300
http://www.cominess.jp/

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