第123回 スーパー・リクライニング・コンサート トリオ海(メア)

精緻なアンサンブルで聴く名作二編

©篠原栄治
 音楽ホールでは世界初となるリクライニング席に身を預けて、心身ともにゆったりと音楽を愉しめる好評シリーズ『スーパー・リクライニング・コンサート』。今回は、正統派のピアノ三重奏団「トリオ海」が登場し、ふたつのドイツの佳品を披露する。
 ダルムシュタット歌劇場などのコンサートマスターを歴任した、ヴァイオリンの甲斐摩耶。そして、日本ヴァイオリン界の巨匠・海野義雄の息子で、精力的な演奏活動に加え、編曲や指揮も手掛けるチェロの海野幹雄。その妻で、室内楽奏者としても高く評価されるピアノの海野春絵。この3人の実力派奏者により、「トリオ海」は2015年に結成された。
 今回は、まず、20代前半のベートーヴェンが、「作品1」を与えた「3つのピアノ三重奏曲」から、特に瑞々しい魅力に溢れた「第2番」を。そして、30歳のメンデルスゾーンが書いた「ピアノ三重奏曲第1番」を演奏。「無言歌」を思わせる第2楽章をはじめ、全篇に歌心があふれ、シューマンも絶賛した傑作だ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

3/28(火)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp/