グランドサロン・シリーズ 鈴木秀美 KLASSIKの世界 Vol.4

古典派作品の金管楽器の魅力を存分に

鈴木秀美 ©K.Miura
 バロック・チェロの世界的な第一人者である鈴木秀美が、音楽監督と指揮を務めるオリジナル楽器による「オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)」。主に古典派を軸に活動し、楽壇に新しい風を吹かせている。そんな精鋭集団が続けているシリーズ『鈴木秀美 KLASSIKの世界』。第4弾では、“ナチュラル・ホルン”にスポットを当て、ハイドンとモーツァルトの佳品を披露する。
 「便宜的に“ナチュラル・ホルン”と呼ばれていて、何の装置もついておらず、唇と、ベルの中に入れた手のみで音程を作るのが、古典派時代のホルン。現代の楽器よりも軽く、明るい音がします」と鈴木は説明。今回のステージでは、ハイドンの交響曲第31番「ホルン信号」、モーツァルトの交響曲第25番とセレナーデ第9番「ポストホルン」を取り上げる。
 「ふたつの交響曲はホルンを4本使うゴージャスな曲ですが、ハイドンとモーツァルトとでは、使い方が全く異なっています」と鈴木。そして、「ホルン信号」とセレナーデでは、珍しい“ポストホルン”も使用する。「19世紀に入っても郵便配達夫が使っていたもので、特徴的な信号の音型があって、両方の曲にそれが登場します。また、特にセレナーデでは、19世紀初頭に作られた、オリジナルの楽器を使います」と話す。
 「ハイドン初期の生き生きと楽しい交響曲、モーツァルトの激しいト短調、そして、管楽器が百花繚乱のごとく活躍するセレナーデ。これらの作品をオリジナル楽器で聴く機会はめったにありません。どうかお聞き逃しなく!」
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

3/26(日)15:00 パルテノン多摩
問:チケットパルテノン042-376-8181
http://www.parthenon.or.jp/