阿吽の呼吸で表現する珠玉のデュオ作品
東京芸大から英国王立音楽院に学び、古典作品はもちろん、邦人作曲家による作品の紹介に力を注ぐなど、骨太かつしなやかな活動が印象的な実力派ヴァイオリニストの印田千裕。そして、やはり東京芸大からチェコ国立プラハ音楽院に学び、ソロや室内楽、演劇とのコラボレートなど多彩な活動を展開するチェリストの印田陽介。国際コンクールでの実績も数多い2人の名手による、姉弟ならではの阿吽の呼吸でのデュオ・リサイタルが、5回目を迎える。
ミニマムな編成による室内楽の愉しみに加え、知られざる佳品に光を当てる、貴重な機会でもある当シリーズ。今回も、“チェロのパガニーニ”の異名をとった19世紀の名手セルヴェが、ヴァイオリニストのギスと共作した「“ゴッド・セイヴ・ザ・キング”による華麗なる変奏曲」や、ヴォルフ=フェラーリ「序奏とバレエ」をはじめ、オネゲル、バルトーク、コレッリなど古今の西欧作品、さらに寺内園生や入野義朗など現代の邦人作品まで多彩に弾きこなす。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年11月号から)
11/11(金)19:00 王子ホール
問:マリーコンツェルト03-6914-2234
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