大和田夏祭り 2016 坂田 明「平家物語」


 坂田明といえば我が国のフリージャズを代表するアルト・サックス奏者。わけても1970年代の山下洋輔トリオにおける圧倒的な演奏は、世界のジャズ・ファンを震撼させたものだった…などと、遠い目をして過去を振り返っている場合ではない。なぜならこの人、70歳を超えた現在でも現役バリバリ。それどころか過去のどの時よりも“今”が一番パワフルで過激、という怪物ぶりでジャズ・シーンを引っかき回し続けているのだから。そんな彼が、渋谷区文化総合センター大和田のライヴ・イベント『大和田夏祭り 2016』に登場、坂田版「平家物語」を披露する。
 坂田がこの軍記物語の最高峰を最初に翻案・録音したのは2011年のこと。複数のリード楽器や鳴り物、ヴォイスをオーバーダビングしたそのCDは大きな話題となり、約半年後には新宿ピットインにおいてライヴが実現。映像をバックに、かの高平哲郎演出のもと坂田が信頼を寄せる音楽家とともに繰り広げたステージは各方面から絶賛された。
 今回の公演はこのライヴの再演となるものだが(演出家、メンバー共に同じ)、今回注目すべきは、中山晃子のライヴ・ペインティングが加わること。さらなる進化を遂げたボーダーレスな一大絵巻に、会場が興奮と感動のるつぼと化すことはまちがいないだろう。
 この他、大和田夏祭りでは笛の一噌幸弘(8/1)、ダンスの森山開次(8/3,8/4)によるワークショップ、太鼓のレナード衛藤(8/6,8/7)の公演もおこなわれる。刺激的なパフォーマンスで暑気払いというのも一興かと。
文:藤本史昭
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)

坂田 明「平家物語」
8/2(火)19:00 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
問:渋谷区文化総合センター大和田03-3464-3252
http://www.shibu-cul.jp
※『大和田夏祭り 2016』の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。