欧米の頂点に立った名手を間近で堪能
それはまさに“世界制覇”の感がある。シカゴ響の首席フルート奏者マチュー・デュフォーが、2015年9月(決定は14年5月)ベルリン・フィルの首席奏者に就任した。世界最高の機能を有する2大オーケストラの首席を歴任するなど前代未聞。彼の規格外ともいえる技量を物語っている。1972年パリに生まれたデュフォーは、91年トゥールーズ・キャピトル国立管の首席奏者、93年パリ・オペラ座管のソリストを経て、99年シカゴ響の首席奏者に就任。フランスの教育、オペラの経験、アメリカの環境を経たことで、幅広い音楽性を獲得し、艶のある音色、豊かな表現力、気品を併せ持つ演奏で聴衆を魅了している。
彼はこの7月、昨年に続いてヤマハホールでリサイタルを行う。前回はバロックと20世紀作品が中心だったが、今回は、シューベルト、マルティヌー、ルーセル、フランクとロマン派&近代の大家が並ぶプログラム。しかも「しぼめる花変奏曲」やフランクのソナタなど勝負曲揃いだ。333席のプレミアムな空間で味わえるのも贅沢の極み。それゆえチケットはお早めに!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ 2016年8月号から)
7/27(水)19:00 ヤマハホール
問:ヤマハ銀座ビルインフォメーション03-3572-3171
http://www.yamahaginza.com/hall