トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラ オペラ × 文楽様式 ビゼー 歌劇《カルメン》

オペラと人形浄瑠璃との出合い

2004年公演の模様
2004年公演の模様

 ジュニア・オーケストラの舞台と言えども、決して侮るなかれ。もしかすると、東西の文化の在り方に、一石を投じることになるかも。今年で創立10周年を迎えた、トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラが挑む『オペラ × 文楽様式』は、ビゼーの歌劇《カルメン》を、人形浄瑠璃をモチーフに再構築する意欲的な舞台。タイトルロールの渡邊史や相手役ドン・ホセの安冨泰一郎らキャストは、役柄と同時に着物姿で文楽人形を演じ、アリアの合間には、通常の台詞に代わって、人間国宝の竹本駒之助らによる義太夫節(語りと三味線による浄瑠璃)が挿入され、舞台回しを担う。
 今回は同オーケストラ音楽監督の松尾葉子のタクトのもと、演奏会形式で上演。実は、日本舞踊家の五條園美が演出・振付を担当したこの舞台は、松尾指揮のセントラル愛知交響楽団により、2004年にも同ホールで上演され、大きな反響を呼んだ。子供たちの瑞々しい感性のフィルターを通す、新たな試み。果たして、どんな“化学反応”を起こすのか。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)

3/27(日)16:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
https://www.triphony.com