第3回 HAKUJU 東日本大震災チャリティコンサート

トップ・プレイヤーたちによるクラシック・エイド


 釜石市から北へ10キロほどの位置にある岩手県大槌町は、東日本大震災の津波被害で町の大半を消失した。その地域に、被災した子どもたちの心のケアを目的に2013年にオープンした「子ども夢ハウスおおつち」は、山口県の社会福祉法人「夢のみずうみ村」が開設し、ボランティアと寄付金で運営されている施設。学校帰りの遊び場であり、肉親や友人を奪われた子どもにとっては、信頼できるスタッフのいる相談所でもある。高齢者のための小規模デイケア「夢のみずうみ村おおつち」も併設されている。
 この施設を支援するための『HAKUJU 東日本大震災チャリティコンサート』は今回で3回目の開催。大萩康司(ギター)、川本嘉子(ヴィオラ)、小林美恵(ヴァイオリン)、長谷川陽子(チェロ)、林美智子(メゾソプラノ)、三舩優子(ピアノ)、ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット(平野公崇、田中拓也、大石将紀、西本淳)と、クラシック界の最前線で活躍する演奏家たちが出演して行なわれる。
 開演は15時。その十数分前の14時46分に震災が発生した3月11日から5年目となるこの日。「節目」を迎えることが、深刻な被害の記憶の風化や支援活動の鈍化につながることがあっては絶対にならない。私たち音楽ファンにとって、こうした音楽を通じての支援は、その決意を示す最適な場だ。会場には募金箱も設置され、寄せられた募金はコンサートの収益とともに上記施設に寄付される。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)

2016.3/11(金)15:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp