オペレッタ映画『こうもり』

オペレッタの伝説的名演を大画面で楽しむ


 このところオペレッタの人気が徐々に高まってきているようだ。2016年5月にはウィーン・フォルクスオーパーが、《こうもり》、《メリー・ウィドウ》それに《チャルダーシュの女王》の人気3演目をたずさえて来日公演をする。東京二期会のオペレッタもがんばっているし、全国各地のアマチュア・オペラもオペレッタを取り上げることが多くなってきた。
 そんな今、オペレッタ最高傑作の《こうもり》をひと昔前の伝説的名演の映像、それも大画面で楽しんでみてはどうだろう。オペラもそうかもしれないが、とりわけオペレッタの場合は、この「ひと昔前の」というのが肝心だ。カール・ベーム指揮によるウィーン・フィル、それにG.ヤノヴィッツ、E.ヴェヒター、R.ホルム、E.クンツといった当時最高の歌手たちをそろえた1972年製作のこの映画版《こうもり》は、カルロス・クライバー指揮によるバイエルン国立歌劇場の舞台映像(1986年)とならんで、オペレッタ上演の黄金期の輝きをしのばせてくれる貴重な宝物といっていい。
 歌手たちはみな歌はもちろんだが、それ以上に芝居がうまくてとことん楽しませてくれる。オットー・シェンクによる演出は、奇をてらうことなくウィーン・オペレッタの王道を行く見事なもの。通常はメゾソプラノによるズボン役となるオルロフスキー公爵を、なんとあの往年のワーグナー・テノールの大物W.ヴィントガッセンが歌い演じているというのも、この映像のうれしい驚きのひとつ。大画面で高音質ということになれば、最高に楽しめることうけあいだ。
文:田辺秀樹
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)

オペレッタ映画『こうもり』上映会
2016.1/23(土)10:30 13:30 銀座ブロッサムホール
問:樂画会(がくがかい)チケットデスク0120-954-618
http://www.gakugakai.com

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