神奈川県立音楽堂「音楽堂ヘリテージ・コンサート」
至宝の名演を未来へ継承する

 「音楽堂ヘリテージ・コンサート」は、開館以来、神奈川県立音楽堂が脈々と紹介してきた名音楽家のシリーズの流れを引き継いで、2021年から開催されている。2026/27シーズンの3公演は古楽メインのラインナップ。ぬくもりのある「木のホール」で、いにしえの音楽にひたりたい。

タリス・スコラーズ ©Hugo Glendinning

 7月には、英国の誇るアカペラ合唱団タリス・スコラーズ(指揮:ピーター・フィリップス)が、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンから90歳の現代作曲家アルヴォ・ペルトまで、キリスト教音楽の800年を俯瞰できるプログラムを歌う。なかでもバチカンのシスティーナ礼拝堂のために書かれた“秘曲”、アレグリの「ミゼレーレ」を音楽堂の空間で聴けるのは貴重な機会だ。

左:ファビオ・ビオンディ ©Higashi Akitoshi
右:アンドレアス・シュタイアー ©Andrej Grilc

 11月に登場するファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン/指揮)& エウローパ・ガランテは、2006年以来、音楽堂のバロック・オペラ・プロジェクトでコラボレーションを重ねてきた。ヴィヴァルディの《バヤゼット》、《メッセニアの神託》、ヘンデルの《シッラ》の名舞台をご記憶の方も多いだろう。今回はヴィヴァルディの「四季」を核に、コレッリやジェミニアーニの合奏協奏曲などを取り上げる器楽プログラムだが、ビオンディの創造性がきっと炸裂するだろう!

 そして同月下旬には、ドイツ古楽界を牽引してきた鍵盤楽器の名手アンドレアス・シュタイアーが、J.S.バッハの金字塔ともいえる「ゴルトベルク変奏曲」をチェンバロで奏でる。絶賛された録音から15年余。さらに円熟と深みを増した今、どんな境地を聞かせてくれるだろうか。

文:後藤菜穂子

(ぶらあぼ2026年5月号より)

神奈川県立音楽堂 音楽堂ヘリテージ・コンサート
タリス・スコラーズ 天上のアカペラ合唱

2026.7/19(日)14:00 4/18(土)発売
ファビオ・ビオンディ/エウローパ・ガランテ 「四季」とイタリアの宝石
11/6(金)19:00 6/13(土)発売
アンドレアス・シュタイアー チェンバロで奏でるゴルトベルク変奏曲
11/23(月・祝)14:00 6/13(土)発売
神奈川県立音楽堂
問:チケットかながわ0570-015-415 
https://www.kanagawa-ongakudo.com