鈴木優人&BCJ✕隈研吾!? 豪華異色コラボによる《フィガロの結婚》が誕生!

 国際的にもめざましい活躍を続けている鈴木優人が率いるバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のオーケストラ&合唱団と、最高の歌手陣によるモーツァルト《フィガロの結婚》が上演される。Bunkamuraが、会場となるめぐろパーシモンホールとタッグを組み、2024年に始まったこのシリーズでは、これまで《魔笛》《ドン・ジョヴァンニ》を取り上げ、26年2月はついに《フィガロの結婚》の登場となった。モーツァルト時代の音と、現代最高のアーティスト達とのコラボレーションが特徴のプロダクションで、今回は世界的建築家の隈研吾(美術)、様々なジャンルで発信を続けるファッションデザイナーの丸山敬太(KEITAMARUYAMAデザイナー/衣裳)が参加、舞台を知り尽くした演出の飯塚励生が全体をまとめ上げる。

左より:鈴木優人 ©Marco Borggreve/飯塚励生/隈 研吾 ©Designhouse

 この上演でまず注目したいのは充実の出演者たちだ。アルマヴィーヴァ伯爵はオーストリア出身のバリトン、ダニエル・グートマン。恵まれた容姿と豊かな声、自然な演技でモーツァルトのオペラに定評がある。伯爵夫人を歌うソプラノ・森麻季は言わずと知れた日本を代表するプリマドンナでBCJとの共演も多いが、近年役柄の幅がますます広がっている。大西宇宙は日本とアメリカで活躍中のバリトン、ミネソタ・オペラで大好評だったロッシーニ《セビリアの理髪師》に続いて、今度はモーツァルトのフィガロ役を歌うのが楽しみだ。フランスのソプラノ、ジュディト・ファーは透明感のある歌唱でスザンナを当たり役にしている。ケルビーノを演じるメゾソプラノ、オリヴィア・フェアミューレンはオランダ出身。夢見るような美しい声色に加え、音楽性も際立っている。

左より:丸山敬太/森 麻季 ©Yuji Hori/大西宇宙 ©Marco Borggreve

 そして一番の話題は隈研吾が日本で初めて手がける舞台美術だろう。2024年には、イタリアの名門サン・カルロ劇場でヴェルディ《シモン・ボッカネグラ》の美術を手掛け絶賛された。今回は何と、自身がデザインした東京・赤坂のザ・キャピトルホテル 東急をモデルにした架空のホテルを舞台に設定。そこに暮らす裕福なオーナーがアルマヴィーヴァ伯爵、フィガロはオーナーの部下など、時代を18世紀から21世紀に移しても波瀾万丈のストーリーは変わらない。ケルビーノは神出鬼没のベル・ボーイ、藤井麻美が演じるマルチェリーナはホテルの料理人、氷見健一郎のドン・バルトロは支配人……。現代社会の我々も共感できる人間関係の複雑さと、それを描き出すモーツァルトの類稀な音楽を、鈴木優人とBCJ、そして出演者たちがどう表現するか。注目の公演である。

文:井内美香

(ぶらあぼ2026年1月号より)

Bunkamura Produce 2026 鈴木優人 & バッハ・コレギウム・ジャパン × 隈 研吾
モーツァルト:オペラ《フィガロの結婚》(新制作)
2026./19(木)16:00、2/20(金)16:00、2/22(日)14:00、2/23(月・祝)14:00 めぐろパーシモンホール
問:Bunkamura 03-3477-3244 
https://www.bunkamura.co.jp