『グローリア』日本初演含む魅惑的な3作
英国バレエと縁が深い小林紀子バレエ・シアター。次回公演はマクミラン作品2演目を含んだトリプルビルで、非常に魅力的な内容となっている。注目は日本初演となる『グローリア』。第一次世界大戦で散った若き戦士たちを弔う名作である。戦争によって青春を奪われてしまった若者の悲劇をマクミランらしい雄弁な振付で描き出す。胸が詰まる作品だ。一転して『ソワレ・ミュージカル』は、祝祭ムード溢れる華やかな作品。音楽はロッシーニによる原曲をブリテンが編曲したものが使用され、流麗なパ・ド・ドゥやダイナミックなパ・ド・カトルなど、多様な踊りで見応えがある。軽快なリズムに気分が高揚する作品だ。そして最後は古典の名作『ライモンダ』より第3幕の抜粋。異国情緒溢れる重厚で典雅な踊りがクラシックバレエの真髄を感じさせてくれる。ゲストはロマン・ラツィック(ウィーン国立歌劇場バレエ)、エステバン・ベルランガ(スペイン国立ダンスカンパニー)。
文:石村紀子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)
8/21(金)〜8/23(日) 新国立劇場(中)
問:小林紀子バレエ・シアター03-3987-3648
http://www.nkbt-tokyo.com