京都バレエ団特別公演『ロミオとジュリエット』

パリ・オペラ座バレエ団のスターを迎えての華麗なるステージ

 “バレエの殿堂”パリ・オペラ座バレエ団のエスプリを存分に味わいたい―。京都バレエ団特別公演『ロミオとジュリエット』全幕は、オペラ座フリークならずとも見逃せない、この夏屈指の話題作である。
 キャストが凄い! なんとオペラ座から新旧8名のスターが招聘される。ロミオを人気エトワールのカール・パケット、ジュリエットを新進気鋭のスジェ、エロイーズ・ブルドンが踊るほか、ジュリエットの母と父を往年の名エトワールのモニク・ルディエール、シリル・アタナソフが務めるというから驚きだ。前身の有馬龍子バレエ団時代から長年オペラ座の指導者やダンサーを招いてきた伝統と実績があって実現する夢の饗宴である。オペラ座のかぐわしい香気が立ち上がり舞台を満たすことだろう。
 オリジナル新作としても注目を集める。「ジュリエットの死を悼む父の語りから幕が上がる極上の感動と驚き!」というのが謳い文句だ。演出・振付のファブリス・ブルジョアはオペラ座の教師として団員からの信頼が厚い。3年前の有馬龍子バレエ団『ドン・キホーテ』全幕もブルジョアのステージングだったが、キューピッドを男性が踊るというアッと驚く独創的な趣向なども織り交ぜつつ垢抜けていた。今回も独自の魅力あふれるステージとなるに違いない。
 東京公演、京都公演ともにオーケストラ生演奏が入る本格派。オペラ座の息吹を色濃く伝える豪華で洗練されたグランド・バレエに心ゆくまで酔いしれたい。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)

8/2(日)14:30 ゆうぽうとホール 
8/9(日)14:30 びわ湖ホール
問:京都バレエ団075-701-6026 
http://www.kyoto-ballet-academy.com