今秋も東京や横浜公演の他「スペインギター音楽コンクール」特別審査員としても来日予定の“ギター界の女王”の新譜。噴水を思わせるトレモロが美しいロドリーゴによるアルバム・タイトル曲など、前半は20世紀スペインが生んだクラシカルな名曲を並べて、後半には映画音楽やコンテンポラリーな傑作を配して楽しませる流れが上手い。特にマルチ奏者のR.タウナーが自身のグループ「オレゴン」のために書いた「歓喜の旅立ち」の爽やかなソロ・ギターVer.に心を奪われた。彼女が自分で編曲したモリコーネ『ニュー・シネマ・パラダイス』の“締め”も深い余韻を残す。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2025年10月号より)
【information】
CD『ヘネラリーフェのほとり/マリア・エステル・グスマン』
デ・ラ・マーサ:サパテアード、ペテネーラ/ロドリーゴ:ヘネラリーフェのほとり/カステルヌオーヴォ=テデスコ:プラテーロと私/タウナー:歓喜の旅立ち/モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス 他
マリア・エステル・グスマン(ギター)
マイスター・ミュージック
MM-4545 ¥3520(税込)



