小澤征爾を讃える彫刻がタングルウッドに完成、除幕式にジョン・ウィリアムズ、ヨーヨー・マらが参加

 アメリカ・マサチューセッツ州タングルウッドに、故・小澤征爾を讃える彫刻がこのたび完成し、現地時間7月28日に関係者立会いのもと除幕式が行われた。

(左より)キム・テイラー、ヨーヨー・マ、小澤征良、ペネロペ・ジェンクス、バーバラ・ホステッター(BSO 理事長)、ジェイムス・テイラー、チャッド・スミス
©Hilary Scott, courtesy of the Boston Symphony

 小澤は、ボストン交響楽団(BSO)の音楽監督を1973年から2002年まで29年の長きにわたり務めた。1960年の夏、タングルウッド音楽祭(当時の名称はバークシャー音楽祭)の講習に参加したことで、レジデント・オーケストラであったBSOとの関係がスタートし、世界的なキャリアが築かれるきっかけにもなったゆかりの深い土地。70〜73年には音楽祭の芸術監督も務めた。長年の貢献を記念して、1994年には敷地内にSeiji Ozawa Hallが建設されている。

 今回、お披露目された彫刻は、アメリカ人彫刻家ペネロペ・ジェンクスによるもので、ボストン・ポップス・オーケストラ桂冠音楽監督のジョン・ウィリアムズとその夫人サマンサの厚意により制作・寄贈されたという。これまでに、ジェンクスによりこの地でコープランド、バーンスタイン、クーセヴィツキーの像も制作されており、今回、あらたに小澤の像が加わることになった。

Seiji Ozawa Hallを見渡せる緑豊かな環境に像はある
Courtesy of the Boston Symphony

 Seiji Ozawa Hallで開催された式典には、ジョン・ウィリアムズ、サイトウ・キネン・オーケストラ代表の小澤征良ら親族や友人、そしてBSOプレジデント兼CEOのチャド・スミスや副首席オーボエ奏者の若尾圭介ら楽団員、さらにヨーヨー・マ、ジェームス・テイラー、エマニュエル・アックスといった著名アーティストも参加。ヴァイオリニストの若尾圭良らが小澤征爾に敬意を表して選曲した特別プログラムを披露した。

小澤征良とキム・テイラーのスピーチ(写真手前左より)ペネロペ・ジェンクスとジョン・ウィリアムズ
©︎Hilary Scott, courtesy of the Boston Symphony

 小澤が最後にタングルウッドで指揮台に立ったのは2006年。それから20年近い歳月が流れたが、親しみやすい人柄と音楽への飽くなき情熱で、ボストンっ子に愛された彼の名前は、いまも人々の心のなかに刻まれている。

文:編集部
協力:セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)

Tanglewood
https://www.bso.org/tanglewood