6年ぶりの日本ツアーへの意気込みを語る

1918年にエルネスト・アンセルメが創設した名門 スイス・ロマンド管弦楽団(OSR)が6年ぶりに日本ツアーを行う。指揮を務めるのは、東京交響楽団の音楽監督として日本でもお馴染みのジョナサン・ノット。2017年からOSRの音楽監督/芸術監督を務めており、同ポストでは最後のツアーとなる。今回は7月3日の中国/北京公演、7月5日、6日の韓国/ソウルでの公演を終えてからの来日で、全国5公演が予定されている。上野通明、HIMARIという才能輝く若い日本人奏者がソリストで出演することでも注目が集まる。初日にあたる7月8日の川崎公演に先立ち、ノットとスイス・ロマンド管弦楽団 事務局長のスティーヴ・ロジャーが出席して記者会見が行われた。

ノット「日本に来るということはふるさとに戻ってくる感覚に近いのですが、私がよく知っている聴衆の皆さまに、私とスイス・ロマンドとの成果、そして日本の皆さまが知らない私というものを聴いてもらいたいです。
OSRは、本当に才能のある音楽家たちの集まりです。みんなフランス語を話しますが、そのような言語のニュアンスも音楽から感じられるのではないかと思います。そして、OSRほど繊細でやさしい動きの音を奏でるオーケストラを聴いたことがありません。このオーケストラとの共演は、私にとって大きな喜びです」
また、事務局長のスティーヴ・ロジャーはノットが監督を務めてからのオーケストラの変化を次のように語った。
「指示通りに弾くというのは重要だけど、音楽づくりは自由にできるもので、やはり夢を見るということもとても大事だと考えています。彼のもとでオーケストラのレベルが数段上がったと思います。だからこそ彼を選んだのですが、指揮者、芸術監督として大きな貢献をしていただきました」

最後にノットは、今回演奏するオネゲルの「ラグビー」という作品について聞かれると身を乗り出して答えた。
「よくぞ聞いてくれました!(笑) 私は12歳の時に学校のクラブでラグビーをしていたのですが、ボールがどこに飛んでいくか分からないし乱暴なところもあります。そういうちょっとクレイジーな部分が感じられる楽しい曲です。演奏するたびに『なんて素晴らしい曲なんだろう』と思いますね。皆さんもこの曲の素晴らしさを、ぜひ発見していただけたらと思います」
取材・文・写真:編集部
ジョナサン・ノット指揮 スイス・ロマンド管弦楽団
2025.7/8(火)19:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
プログラムA
問:カジモト・イープラス050-3185-6728
7/9(水)19:00 サントリーホール
プログラムB
問:カジモト・イープラス050-3185-6728
7/11(金)19:00 京都コンサートホール
プログラムC
問:カジモト・イープラス050-3185-6728
7/12(土)15:00 鳥取とりぎん文化会館 梨花ホール
プログラムD
問:とりぎん文化会館0857-21-8700
7/13(日)15:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール
プログラムB
問:CBCテレビ事業部052-241-8118
プログラム A
オネゲル:交響的運動第2番「ラグビー」
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 op.107 (チェロ:上野通明)
ストラヴィンスキー:バレエ「ペトルーシュカ」(1911年版)
プログラム B
ジャレル:ドビュッシーによる3つのエチュード
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47(ヴァイオリン:HIMARI)
ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
プログラム C
W.ブランク:モルフォーシス
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 op.107(チェロ:上野通明)
ストラヴィンスキー:バレエ「ペトルーシュカ」(1911年版)
プログラム D
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47(ヴァイオリン:HIMARI)
ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
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