【リハーサルレポート】天王洲の運河に幻想的なオペラの世界が出現!
水上オペラ《The Little Mermaid》がいよいよ開幕!

写真・取材・文:編集部

 11月6日から8日までの3日間、東京・天王洲のキャナルイーストで「天王洲水上オペラ2026《The Little Mermaid》」が開催される。ドヴォルザークのオペラ《ルサルカ》を原典に、舞台を近未来都市に移した約90分のオリジナル作品。演出は田尾下哲が手がけ、日本を代表するオペラ歌手たちが出演する。日本では珍しい水上オペラとあって、チケットはすでにほぼ完売。開幕前日の11月5日、現地で行われたリハーサルを取材した。

 会場に足を踏み入れると、そこには日常とはまったく異なる光景が広がっていた。周囲にそびえるビル群の夜景と、色鮮やかなステージの照明が運河の水面に映り込み、幻想的な空間を生み出している。水上に設けられたステージと客席、その背景に広がる都会の風景が一体となり、まさに近未来の都市に入り込んだかのよう。劇場では決して味わえない、非日常的な光景だ。

都会の夜の街並みを借景としたステージ。奥には運河を通る屋形船の姿も。

 しかし、この公演の真価は、そうした特別な環境だけにあるのではない。人魚姫と人間の王子との恋を軸にしたドラマ性際立つ物語を支えているのは、日本を代表する歌手たちの圧倒的な歌唱力だ。リトルマーメイド役の青木エマ、王子役の城宏憲、水の精役の与那城敬をはじめ、実力派が揃った舞台は、屋外の特設ステージでありながら、まぎれもなく本格的なオペラ公演としての聴きごたえを備えている。

 特筆したいのが、清水のりこによるエレクトーンの演奏で、音には十分な厚みと広がりがあり、歌手たちの声を豊かに支えながら、ドラマの緊張感や情景の変化を鮮やかに描き出している。これほど効果的にオペラの世界を表現できることにも驚かされた。

 さらにステージを彩るダンサーたちも秀逸だ。歌手たちの演技演技に寄り添う彼女たちの動きがが物語の展開を彩り、場面ごとの色合いや空気感の変化を巧みに演出。照明やスモークとも相まって、視覚的にも変化に富んだ舞台を作り上げている。

 リハーサルを終えた青木エマは、この特別な舞台について次のように語った。

「実際にこの場所に来て、照明やスモーク、ダンサーなど、さまざまな要素が組み合わさった空間を初めて体感しました。舞台で歌っていても水を感じますし、揺れもあるんです。そうした感覚から生まれる私たちのエネルギーも、お客様に伝わればと思います。街の明かりや照明が水面に映り込む光景も、ぜひ楽しんでいただきたいですね」

 一方、水の精を演じる与那城敬も、このロケーションならではの感覚を強調する。

「水の上で歌うのは初めてですね。屋外なので声が外へ抜けて、いろいろな方向に広がっていく感覚があります。水面にも響いているかもしれません。清水のりこさんのエレクトーンも魅力的ですし、若い指揮者の神志名勇さんも素晴らしいです。何より、この水上でオペラを上演できるのは本当に特別なこと、作品の世界をリアルに感じていただけるのではないでしょうか」

左:与那城敬 右:青木エマ

 いよいよ今夜、幕を開ける「天王洲水上オペラ2026」。水が重要なモチーフとなる物語が、実際の運河を背景に繰り広げられるという、日本ではめったに体験できないステージだ。都会の夜景と水面の輝き、そして一流の歌手たちが歌声がひとつになる3日間。天王洲の夜に、これまでにないオペラの世界が立ち現れる。

《The Little Mermaid》天王洲水上オペラ2026 
~Harmonious nights between art and canal~

2026.11/6(金)、11/7(土)、11/8(日)各日19:00 天王洲運河 キャナルイースト

出演/
リトルマーメイド:青木エマ
人間の王子:城宏憲
外国の王女:宮地江奈
魔女:鳥谷尚子
水の精:与那城敬
エレクトーン:清水のり子

演出:田尾下哲
振付:池上直子
音楽監督:柴田祥
指揮:神志名勇
総合プロデューサー:長谷川留美子
プロデューサー:福原秀己

問:天王洲・キャナルサイド活性化協会 事務局 canal@canalside.or.jp
https://canal-art-moment.com