第15回 Hakuju Hall ワンダフル one アワー N響精鋭メンバーによる管楽アンサンブル

ふくよかで鮮やかなモーツァルトの調べ

 昨年聴いたベートーヴェンの交響曲第7番は、今も耳に残るほど新鮮だった。それはHakuju HallでのN響メンバーによる管楽アンサンブルの公演。再登場の今年はモーツァルトが演奏される。こうした「ハルモニームジーク」は、市民が身近に楽しめることで、18世紀後半に大人気を博し、今回と同じ9名の編成は、豊かな表現力と柔軟性から特に好まれた。本公演では、その響きをN響精鋭の豪華な布陣で体感できる。メンバーは、オーボエの青山聖樹&和久井仁、クラリネットの伊藤圭&加藤明久、ホルンの福川伸陽&勝俣泰、ファゴットの水谷上総&森田格という、首席(または首席代行)&パートナーのコンビにコントラバス首席の吉田秀が加わる。音色や奏法が揃い、音作りも互いに熟知した名手たちが、精緻なアンサンブルを聴かせる。曲は、管楽合奏の定番たるセレナード第11&12番(短調の12番は特に注目!)に《フィガロの結婚》(抜粋)を加えた、楽しく深く柔らかく歯切れ良い名作集。この顔ぶれでこの曲なら、愉悦のひとときを過ごせること間違いなし!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

6/19(金)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 
http://www.hakujuhall.jp