情熱的なピアニズムが復活!
「ロシアの六月」をテーマに掲げた今回のプログラムは、中村の情熱的なピアニズムを余すことなく楽しめる重厚なもの。「6月」のために書かれたチャイコフスキー「四季」の〈舟歌〉に始まり、中村が得意とするラフマニノフからは、甘美な旋律が魅力の「幻想的絵画」第1曲〈舟歌〉と、彼女の十八番である前奏曲「鐘」。最後に控えるのはムソルグスキーの「展覧会の絵」だ。色彩感、繊細さと大胆さとが融合した作品を、切れ味鋭いトークと共に楽しめる時間は非常に有意義なものとなるはず。梅雨時である6月は気分が塞ぎがちだが、遠いロシアの大地へと想いを馳せつつ、中村のドラマティックなピアノに耳を傾け、ジメジメ気分を吹き飛ばそう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)
6/19(金)13:30 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
http://www.japanarts.co.jp