日本フィルハーモニー交響楽団が、指揮者・広上淳一[フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)]とスタートさせる新シリーズ「オペラの旅」。演出に高島勲を迎え、会場となるサントリーホールの舞台空間を活かした演出や衣裳等を取り入れたセミ・ステージ形式で、ヴェルディ中期の傑作《仮面舞踏会》を上演します。公演日は今週末(4月26日&27日)、開幕が近づくなか行われた初日リハーサルの様子が届きました!
協力:日本フィルハーモニー交響楽団
4月22日、杉並公会堂で行われた初日練習。演出はつけず、歌と管弦楽の音楽稽古を中心にスタート。この日、キャストは通常のオペラ上演と同じくオーケストラの後ろで歌ったが、舞台前方にもアクティングスペースが設けられている。

一幕ずつ順に、通してから細部の調整という流れでリハーサルは進行。広上マエストロは、オーケストラを力強く前進させながらも細やかにバランスを整える。第三幕では、歌手との合わせを終えた後、ポディウム席後方に配されたバンダ隊の入りを繰り返し練習する場面も。
歌い手の声に合わせて、日本フィルの音色もドラマティックに変化していく。本番の会場は極上の音響を誇るサントリーホール、ピッツィカートなどはコンサートホールならではの残響が楽しめそうだ。
第1ヴァイオリン 伊藤太郎
「普段、日本フィルではあまりオペラをやっていないのでとても楽しいです。ピットを想定して書かれているので、音量などバランスを考えなければならない難しさはあります。《仮面舞踏会》をよくご存じの方は、きっと音楽的に新しい発見があると思います。舞台上で演奏するのは僕たちの得意とするところ。オケも一緒に音楽を作っているということを楽しんでいただけたら嬉しいです!」

歌い手はまさしく今が旬の、日本を代表する豪華メンバーが集結。
アメーリア 中村恵理
「道ならぬ恋に悩む人妻のアメーリア。アリアやリッカルドへの愛の告白が聴きどころですが、夫・レナートとの掛け合いもフレーズが対となることで夫婦関係を感じさせる部分があり、私自身、新たな発見のある取り組みとなっています。たくさんの方にお楽しみいただけますと幸いです」

リッカルド 宮里直樹
「2幕のアメーリアとの二重唱は、豊かな愛情表現とピリッとする緊張感があり、とくに気に入っています。テノールが大活躍する作品で聴きどころ満載! すべての場面にご注目を!」

レナート 池内響
「音楽の素晴らしさはもちろんのこと、愛を中心に現代にも通じる様々な感情が揺れ動く作品となっています。登場人物たちの感情の行き着く先を、ぜひ見届けていただきたいです」

本番ではさらにダンサーも加わり、煌びやかな《仮面舞踏会》の世界がホール上に花開く。果たしてどんな舞台になるのか……ぜひ会場に足を運んで、ご自身の目と耳で確かめてほしい。

広上淳一&日本フィル オペラの旅 Vol.1
ヴェルディ:オペラ《仮面舞踏会》(セミ・ステージ形式)
2025.4/26(土)、4/27(日)各日17:00 サントリーホール
指揮:広上淳一[フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)]
演出:高島勲
アメーリア:中村恵理
リッカルド:宮里直樹
レナート:池内響
ウルリカ:福原寿美枝
オスカル:盛田麻央
シルヴァーノ:高橋宏典
サムエル:田中大揮
トム:杉尾真吾
合唱:東京音楽大学
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
他
日本フィルハーモニー交響楽団
https://japanphil.or.jp/opera-no-tabivol1