
廣瀬心香(ヴァイオリン)と鈴木皓矢(チェロ)、石川武蔵(ピアノ)によるピアノ三重奏団「TRIO VENTUS(トリオ・ヴェントゥス)」。独墺の音楽をはじめとする多彩なレパートリーで聴衆を魅了してきた彼らは、2024年に第33回青山音楽賞バロックザール賞を受賞、CDもリリースするなど、飛躍の年を迎えた。ますます勢いを増すなか、今年のリサイタルでは新境地ともいえるプログラムを披露する。中心となるのはチェコを代表する作曲家、ドヴォルザークの円熟期の作品であり、重厚な構成とロマンティックな詩情が漂うピアノ三重奏曲第3番。彼らの艶やかでニュアンスに富んだ音色と構築力が活きることだろう。そこに並ぶのは、ドヴォルザークの影響を受けたマルティヌーの「牧歌集」、複雑なリズムと超絶技巧が凝らされたエリオット・カーターの「エピグラム」。それぞれの卓越した技術、厚い信頼関係によって生み出されるアンサンブルの調和を堪能できる楽曲で、いま注目のピアノトリオの演奏を堪能しよう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2025年5月号より)
トリオ・ヴェントゥス(ピアノ三重奏団) リサイタル ~Bohemian ethos~
2025.6/4(水)19:00 豊洲シビックセンターホール
6/8(日)14:00 京都/青山音楽記念館バロックザール
問:TRIO VENTUS trioventus03@gmail.com
https://www.trioventus.com