【SACD】イタリアーナ!/リッカルド・ムーティ&フィルハーモニック・ブラス

 ベルリン・フィルとウィーン・フィルによるトップ奏者を中心にした凄腕揃いのブラス・アンサンブル。それをムーティが指揮。たまらなくゴージャスなイタリア音楽アルバムだ。この指揮者らしいきりっと引き締まったアンサンブルで、推進力をもって突き進む。そして、その音色のじつに豊かなこと。《ナブッコ》序曲の重厚感、《アルジェのイタリア女》序曲や《アイーダ》よりバレエ音楽といった曲の細やかな動きも軽やか、かつ華麗にこなしつつ、《ウィリアム・テル》序曲の嵐の場面や「ローマの祭り」冒頭曲での音響スペクタクルには目を見張るばかり。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2025年5月号より)

【information】
SACD『イタリアーナ!/リッカルド・ムーティ&フィル ハーモニック・ブラス』

ヴェルディ:歌劇《ナブッコ》序曲(M.ヘフス編)、歌劇《アイーダ》よりバレエ音楽(P.J.ローレンス編)/ロッシーニ:歌劇《アルジェのイタリア女》序曲、歌劇《ウィリアム・テル》序曲(以上ヘフス編)/レスピーギ(ローレンス編):交響詩「ローマの祭り」より〈チルチェンセス〉 他

リッカルド・ムーティ(指揮)
フィルハーモニック・ブラス

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