
世界各地に残された貴重なフィルムをまとめ上げ、歴史的な事件の舞台裏から人々の営みや“想い”までも鮮烈に描き出すNHKスペシャル『映像の世紀』シリーズ。1995年の放送開始以来、時代の変わり目に新バージョンが制作され、現在も放送中であるこの人気番組に欠かせないのが、現代日本が誇る作曲家でピアニストの加古隆が手がけた、荘厳でエモーショナルな音楽である。
2016年からは、そのサントラを、ステージ上の大スクリーンに映し出された特別映像(※このために本家プロデューサーやスタッフが再編集)とともに、彼のピアノとオーケストラによる生演奏で楽しむスペシャル公演もスタート。これまでに延べ3万人超えの来場者を集める成功を収めてきたが、今年の12月にも全国3ヵ所での開催が決定した。演奏は京都公演が沼尻竜典&京都市交響楽団、東京が下野竜也&NHK交響楽団、山形が太田弦&山形交響楽団と最強の布陣。もちろん全ての公演に加古とナレーション担当の元NHKアナウンサー山根基世が参加する。プログラムは2つの世界大戦や冷戦、ベトナム戦争といったテーマごとに構成され、今や彼の代表作となったメインテーマ「パリは燃えているか」(※1944年パリ解放時にヒトラーが放った言葉に由来)をはじめ、最新シリーズ『バタフライエフェクト』のために書き下ろされたものまで、心を揺さぶる楽曲が満載。今回も戦後80年、番組開始30年の節目に相応しい圧倒的な体験が待っているはずだ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2025年12月号より)
映像の世紀コンサート
2025.12/3(水)16:00 ロームシアター京都(キョードーインフォメーション0570-200-888)
12/16(火)19:00 サントリーホール(チケットスペース03-3234-9999)
12/21(日)14:00 山形/やまぎん県民ホール(023-664-2204)
https://avex.jp/classics/eizou-no-seiki/


