
11月12日、スイス・ジュネーヴで開催された第79回ジュネーヴ国際音楽コンクール・ヴィオラ部門のファイナルの審査が行われ、結果が発表された。スイスのサラ・シュトローム(20歳)とアメリカのブライアン・アイザックス(25歳)が第1位を獲得、日本の谷口朱佳(23歳)が第2位に入賞した。谷口は、セミファイナルとファイナルにおけるヒンデミット作品の最優秀演奏者に贈られるヒンデミット賞、このコンクールの大きな特徴の一つでもあるセミファイナルでのアーティスティック・プレゼンテーション課題の最優秀者に贈られるエトリヤール財団賞、ティエリー・フィッシャー指揮ジュネーヴ室内管弦楽団と共演する機会を提供されるオデッセイ・フランク・マルタン賞もあわせて受賞した。聴衆賞は地元のサラ・シュトローム。

©Anne Laure Lechat
第1位 サラ・シュトローム Sarah Strohm(賞金20,000スイスフラン)
ブライアン・アイザックス Brian Isaacs(賞金20,000スイスフラン)
第2位 谷口彩香 Ayaka Taniguchi(賞金12,000スイスフラン)

©Anne Laure Lechat
同コンクールは、1939年に設立。著名な音楽家を数多く輩出しており、今年のヴィオラ部門には36名がエントリーしていた。審査員は、タベア・ツィンマーマン(審査員長)、赤坂智子ら7名。本選では、3名のファイナリストがコルネリウス・マイスター指揮スイス・ロマンド管弦楽団と共演。自身もこのコンクールの作曲部門(2024)で優勝しているレオ・アルビゼッティによるヴィオラと室内オーケストラのための作品「Nouvel Élan」(指定課題)に加え、それぞれが選択した協奏曲を披露した。谷口は、ヴィオラ奏者にとっての最重要レパートリーであるバルトークの協奏曲を情感豊かに弾き、会場のヴィクトリア・ホールの聴衆から大きな拍手を浴びていた。

谷口朱佳は、2002年東京都出身。東京藝術大学を経て、現在はフランクフルト⾳楽・舞台芸術⼤学のタベア・ツィンマーマンのクラスで学んでいる。川﨑和憲、ワルター・ケスナーらにヴィオラを師事。2023年には、その演奏に惚れ込んだ佐渡裕の招きで兵庫芸術文化センター管弦楽団の定期演奏会でソリストを務めるなど、活躍が続いている。今回は、10月にミュンヘンで行われたヒンデミット国際ヴィオラコンクール優勝に続く快挙となった。
文:編集部
写真提供:Concours de Genève
Concours de Genève
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