いまをときめく歌姫リセット・オロペサの待望の日本初ソロ・コンサート

Photo:Steven Harris

 アメリカ出身のリセット・オロペサは、まさに今が旬のソプラノである。まずメトロポリタン歌劇場で人気を博し、近年は、ウィーン、ミラノ、ロンドン、パリなど、世界の一流歌劇場で活躍している。また「オペラ・アワード2024」で最優秀女性歌手に選ばれるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。日本へは、「旬の名歌手シリーズ」で2022年にルカ・サルシ(バリトン)とのデュオ・コンサートで初来日、23年にはローマ歌劇場《椿姫》でのヴィオレッタとして、そして、昨年はMETオーケストラのソリストとして訪れているが、25年4月、遂に日本での初めてのソロ・コンサートをひらく。

 リサイタルでは、2つのプログラムが用意され、モーツァルト、ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディ、ベッリーニ、マイアベーア、グノーのオペラのアリアを歌う。モーツァルトは、METオーケストラの来日公演でも披露した最も得意とする作曲家の一人。彼女のよく通るチャーミングな声にとても合っている。また、《清教徒》、《夢遊病の女》、《ランメルモールのルチア》などのベルカント・オペラのアリアを歌うのも楽しみ。オロペサの華麗なコロラトゥーラを堪能することができるだろう。フランス・オペラも彼女の重要なレパートリーであり、これまでにもMETのライブビューイングでマスネの《マノン》や《ウェルテル》の舞台を見ることができたが、今回はグノーの《ロメオとジュリエット》から彼女にぴったりの〈私は夢に生きたい〉を歌う。指揮はオロペサが厚い信頼を寄せるコッラード・ロヴァーリス(管弦楽:東京フィル)。
文:山田治生
(ぶらあぼ2025年3月号より)

旬の名歌手シリーズ— XIII リセット・オロペサ ソプラノ・コンサート
2025.4/10(木)19:00、4/13(日)15:00 サントリーホール
問:NBSチケットセンター03-3791-8888 
https://www.nbs.or.jp
※プログラムは公演により異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。