
ヴァイオリニストの千住真理子、日本画家の千住博、作曲家の千住明の三兄妹はそれぞれが各分野で日本を代表する存在であり、コラボレーションが長らく期待されてきた。しかしそれが実現したのは2000年の一度きり。これは「“個で認められるまで”とあえて3人での共演をしないように、それぞれがつとめてきた」ためであった。だからこそ、これまで各人が自身の分野で比類なき活躍をし続けてこられたのであろう。
そして今年の5月、真理子のデビュー50周年記念公演において25年ぶりとなる再共演が実現する。特別感にあふれた内容であり、前半は近藤サトの司会のもと、3人のトークセッション。後半では博の日本画が投影されるなか、明の作・編曲作品であるヴァイオリンとストリングオーケストラの為の「彩霧」および「四季」が、N響メンバーのアンサンブルとともに真理子によって奏でられる。磨き抜かれてきた芸術が空間を満たす極上の時間は忘れられないものとなるはずだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2025年3月号より)
千住真理子 デビュー50周年 記念企画 千住家の軌跡 芸術家三兄妹のコラボレーション
2025.5/10(土)16:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp
他公演
5/18(日) 兵庫県立芸術文化センター(ABCチケットインフォメーション06-6453-6000)
5/20(火) 愛知県芸術劇場 コンサートホール(クラシック名古屋052-678-5310)