ライアン・ウィグルスワース(指揮) 東京都交響楽団

初登場、英国の俊英がこだわり抜いた2つのプログラムで魅せる!

左:ライアン・ウィグルスワース ©Benjamin Ealovega/北村朋幹 ©TAKA MAYUMI/イモージェン・クーパー ©Sim Canetty-Clarke

 英国の指揮者ウィグルスワースには、マークとライアンの2人がいる。若いほうのライアンは、名門ハレ管の首席客演指揮者を経て、BBCスコティッシュ響の首席指揮者を務める。作曲家やピアニストとしても活躍するヨークシャー生まれの45歳。作曲家ならではのクールな視点に加え、レパートリーの広さも売りだ。今年10月には、降板したロトの代役として、コンセルトヘボウ管弦楽団のシェーンベルク生誕150年演奏会にも出演する。

 都響とは初顔合わせとなるライアン。今回、2つのプログラムを指揮する。

 定期演奏会Aシリーズは、シェーンベルクの「5つの管弦楽曲」でスタート。その作品の初演を聴いたホルストが創作意欲を刺激されて書いた組曲「惑星」が組み合わされる。そのあいだに、武満徹の「アステリズム」(星の集まりという意味)が演奏されるという、練りに練ったプログラムが嬉しい。武満作品のソリストは北村朋幹。ソリッドかつ音色豊かなピアニズムで、作品世界を明晰に描いてくれるはずだ。

 プロムナードコンサートでは、ソリストとして英国を代表するピアニスト、イモージェン・クーパーが登場し、得意のモーツァルトの協奏曲第23番を弾く。気品あふれ、端正ながら深い音色に彩られたモーツァルトが期待できそうだ。そして、ベートーヴェンの交響曲第3番。彼ならではの繊細な組み立てによって、鮮やかに屹立するシンフォニーを堪能したい。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2024年9月号より)

第1009回 定期演奏会Aシリーズ
2024.10/7(月)19:00 東京文化会館
プロムナードコンサートNo.409
10/13(日)14:00 サントリーホール
問:都響ガイド0570-056-057
https://www.tmso.or.jp