魚谷絵奈 & アン・ジョンド ピアノ・デュオ・リサイタル

民謡をテーマに、二つのアイデンティティが交差する

左:魚谷絵奈 ©A.Muto
右:アン・ジョンド

 東京藝術大学とザルツブルク・モーツァルテウム音楽院で研鑽を積んだピアニストの魚谷絵奈。第13回ブラームス国際コンクール第3位に入賞し、日本やドイツに加え、台湾、韓国とアジアでも演奏活動を展開している。そんな彼女がモーツァルテウムで共に学んだアン・ジョンドとの2回目となるデュオ・リサイタルを開催。ジョンドは2012年、ロン=ティボー国際ピアノコンクール最高位に入賞した韓国人ピアニストだ。

 二人が今回演奏するのは、日本人にとってなじみ深い旋律が並ぶ三善晃の「唱歌の四季」をはじめ、日本と韓国の民謡をテーマとしてそれぞれの国の作曲家に委嘱した世界初演作品、そしてメシアンの傑作であり難曲「アーメンの幻影」。共通性とまったく違う文化的背景をもつ二つの国のピアニストたちが卓越した技術と研ぎ澄まされた音色で奏でるプログラムは、ノスタルジーと大きな感動を呼び起こしてくれることであろう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2024年9月号より)

2024.10/4(金)19:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp