白石光隆 ピアノリサイタル Vol.37

研ぎ澄まされたピアニズムで識るアメリカ音楽の魅力

©Shouhei Yokoyama

 ソロにアンサンブルにと幅広く活躍を続けるピアニストの白石光隆が、37回目のリサイタルを開催。リズミカルでエネルギーに満ちた演奏で多くの人々を魅了する彼のピアニズムを存分に味わえる内容だ。前半はバルトークの「ミクロコスモス」から、華麗な〈ブルガリアのリズムによる6つの舞曲〉にリストのドラマティックなバラード第2番が並ぶ。「彼らの緻密な書法を目の前にすると、意識せざるを得ない」ということでバッハ=リストの前奏曲とフーガ イ短調も選ばれている。

 後半は近年白石が意欲的に取り組んでいるアメリカの音楽。魅力的な旋律にリズムがあふれるバーバーの「遠足」にはじまり、アメリカの音楽史において重要な存在であるゴットシャルク、「ジャズ側からのクラシックへのアプローチではどんな作品が生まれたか」という観点から、ジャズ・ピアニストでミヨーに作曲を師事したブルーベックの作品も並ぶ。白石の華麗なピアニズムを堪能できるのはもちろん、アメリカ音楽の粋にも触れる貴重な機会となりそうだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2024年9月号より)

2024.9/4(水)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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