今年で第48回を迎えたピティナ・ピアノコンペティション(主催:全日本ピアノ指導者協会)の最上位にあたる特級のセミファイナルが8月18日、東京・晴海の第一生命ホールで行われた。審査員はイタリア在住のピアニスト、黒田亜樹はじめ国内外の11名。セミファイナリスト6名の演奏の終了後、8月21日のファイナルに進出する4名が発表された。
特級ファイナル進出者(演奏順/曲目はファイナルでの演奏曲)
◎大山桃暖 Modan Oyama 大阪音楽大学1年/大阪府出身
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 op.26
ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール in Tokyo 2024 ピアノソロ部門 実演奏スタイル 第2位(最高位)。第3回クライバーン国際ジュニアピアノコンクール2023(アメリカ) セミファイナリスト。第6回いしかわ国際ピアノコンクール 一般部門 第5位、海老彰子審査員特別賞受賞。第75回全日本学生音楽コンクール 高校の部 第1位及び横浜市民賞、音楽奨励賞、野村賞、井口愛子賞、NHK会長賞受賞。第45回ピティナ・ピアノコンペティションG級 銅賞 。Young Verona Piano Competition 2021(イタリア) 第1位。これまでに、東京フィルハーモニー交響楽団、一休(IKKYU)フィルハーモニー、クラコン記念オーケストラと共演。2023浜松国際ピアノアカデミー受講。芹澤文美、芹澤佳司、両氏に師事。福田靖子賞基金奨学生。大阪音楽大学演奏家特別コース1年。
◎塩﨑基央 Motochika Shiozaki 東京音楽大学ピアノ演奏家コース4年/群馬県出身
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」
東京音楽大学ピアノ演奏家コース特別特待奨学生4年在学中。明治安田クオリティオブライフ文化財団奨学生。ショパン国際ピアノコンクールin ASIA 全国・アジア大会金賞およびソリスト賞。イモラ国際ピアノアワード(イタリア)第2位。世界最大規模のClassic Piano 国際コンクール(UAE・ドバイ)世界ベスト18入選(日本人最年少・最高成績獲得)。TV・ラジオ・書籍など各種メディア出演多数。SNS総フォロワー数13万人超え。世界的ヴァイオリニスト前田妃奈と共にZ新世代オーケストラ”ネコフィル”-Next CosMo Philharmonic-を結成。2024年5月に「ネコフィル音楽祭」を企画・主催し2日間連続開催。両日満席となり、学生の完全主催演奏会では全国最大級の規模を達成。クラウドファンディングを実施し、公開からわずか5日半にて100%達成。現在220%を突破し、300%に向け挑戦継続中。
◎南杏佳 Kyoka Minami ボストン音楽院Graduate Performance Diploma修了/大阪府出身
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23
京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻を卒業後、ボストン音楽院にて修士課程、Graduate Performance Diploma課程を修了。幼少期を米国ボストンにて過ごす。PTNAピアノコンペティション、C級全国大会ベスト賞、Jr.G級、F級全国大会入選、G級全国大会ベスト賞。堺国際ピアノコンクール、C級第1位、D級第2位、E級第1位、一般部門第1位ならびにオーディエンス賞。全日本学生音楽コンクール小学生の部大阪大会本選第1位、全国大会第3位。2024年ルイスヴィル湖国際ピアノコンクールにて第3位受賞。リベイラン・プレート交響楽団、サンパウロ青少年交響楽団、ボストン音楽院管弦楽団らとピアノコンチェルトを共演。これまでに、甲斐環氏、Alice Wilkinson氏、クラウディオ・ソアレス氏、服部久美子氏、田村響氏、Max Levinson氏に師事。2019年度公益財団法人青山音楽財団奨学生。
◎山本悠流 Yuri Yamamoto 東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程/神奈川県出身
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
東京藝術大学音楽学部を卒業し、現在同大学院音楽研究科修士課程に在学中。浜松国際ピアノアカデミーコンクールにてモストプロミッシングアーティスト賞、大阪国際音楽コンクール・リサイタル部門にて第2位、ソナタコンクール・全楽章部門にて金賞、ショパン国際ピアノコンクールinASIAにて高校生部門金賞、コンチェルトC部門銀賞(金賞なし)、プロフェッショナル部門銅賞など数々の賞を受賞。大学卒業時にアカンサス音楽賞・藝大クラヴィーア賞・同声会賞を受賞。ハンガリーにてAndrás Deák氏の指揮でドナウ交響楽団と共演。「日本ショパン協会パウゼシリーズ」に選出され、ソロ・リサイタルを開催。東京藝術大学「モーニング・コンサート」に選出され、山下一史氏の指揮で藝大フィルハーモニア管弦楽団と共演。これまでに神田奈帆子、金子勝子、秋山徹也、今西泰彦、赤松林太郎、角野裕の各氏に、現在、有森博氏に師事。
セミファイナルは、一人45分以上55分以内という長めの持ち時間ということもあり、ベートーヴェンやシューマン、ブラームスなどの重厚な大作ソナタをプログラムに組み込んだコンテスタントも多くみられた。また、新曲課題として、2022年度武満徹作曲賞第1位などの実績をもつ室元拓人による「凍てつく花火 ピアノソロのための」がそれぞれのコンテスタントによって演奏された。1名が体調不良により欠席となったが、6名のセミファイナリストたちが各々の持てる力を存分に発揮したステージとなった。
ファイナルは、8月21日、サントリーホール 大ホールで実施される。ファイナリストたちにとっては、鋼亮(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団との共演で、協奏曲を演奏できる貴重な機会。今年は、プロコフィエフ、ベートーヴェン、チャイコフスキー、ラフマニノフと異なる協奏曲が並ぶこととなった。グランプリの賞金は140万円。他に、銀賞、銅賞、入選が決定する。また、会場の聴衆選出による聴衆賞やYouTubeでの配信視聴者たちの投票によるオンライン聴衆賞も実施される予定。グランプリが誰の手に渡るのか、審査の行方に注目が集まる。
【Information】
ピティナ・ピアノコンペティション特級2024 ファイナル
8/21(水)16:30 サントリーホール 大ホール
共演/角田鋼亮(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団
https://compe.piano.or.jp/event/tokkyu/
ピティナ ピアノチャンネル PTNA
https://www.youtube.com/@ptna
クラウドファンディング「ピティナ特級2024|ピアニストの未来を共にサポート」
https://readyfor.jp/projects/ptna_tokkyu_2024