開幕直前! 沖澤のどかが 2024セイジ・オザワ 松本フェスティバルへの意気込みを語る

魂をこめて最高の演奏をし、「すべてを小澤征爾に捧げる」

左より:臥雲義尚、沖澤のどか、小澤征良、堀伝
©大窪道治/2024OMF

 8月9日に開幕を控える2024セイジ・オザワ 松本フェスティバル(以下OMF)。それに先駆けて8月5日、開幕記者会見が松本市内で行われ、OMF史上初の首席客演指揮者に就任した沖澤のどかのほか、OMF実行委員長を務める松本市長の臥雲(がうん)義尚、サイトウ・キネン・オーケストラ(以下SKO)代表の小澤征良、サイトウ・キネン財団理事長である堀伝が登壇した。
 総監督小澤征爾亡き後、初めての開催となる。小澤を父にもつ小澤征良は現在の心境を明かした。
「最初は押しつぶされるような悲しい気持ちでしたが、ずっと閉じていたアルバムを改めて見て、本当にこのフェスティバルのいたるところに父がいるんだ、ということを感じました。たくさんの方々がそういう軌跡を残してくれていると思って、改めて感謝の気持ちでいっぱいです」

 2022年には30周年を迎えた同音楽祭。そして、その中心となって活躍してきたSKOは今年40年の節目を迎える。沖澤にとっても、SKOは長年思い入れのある存在であったようだ。
「自分にとってどれだけ特別かなかなか言葉では伝えられません。子どもの頃から録音をたくさん聴いてきました。指揮者を目指していた頃、受験の曲を勉強する時に聴いたサイトウ・キネン・オーケストラの演奏がとてもよかったのです。『魂がこもっている。命が吹き込まれている』と思いました。それは2年前、実際に共演してみて改めて感じました。そして、この大きな特徴をもたらしたのが小澤先生、そして齋藤秀雄先生だと思います」

 また8月17日には、小澤征爾の功績をたたえ、「小澤征爾総監督 感謝の会―その生涯を祝福して―」が松本市民、長野県民参加のもと、キッセイ文化ホールで開催される。この会について小澤征良は「物理的には父のことは見えなくなってしまったけれど、残された多くの愛をひしひしと感じるので、悲しいお別れではなく、父が皆さんと濃厚な時間を過ごしてこられたことを祝福したい。生前、OMFをいつも楽しみにしていたので、その感謝も示せたら」と語った。

記者会見の様子 ©山田毅/2024OMF

 総監督が自ら内容を決定した最後の回であり、同時に未来に引き継ぐための第一歩となる今年の開催に対し沖澤は、決意を表した。
「音楽祭を受け継ぐというのは大それている気がしていて、私にできることとしたら、『最高の演奏をする』。これにつきると思います。プログラムは小澤征爾総監督の意志が反映されていて、今年は節目の大事な年だと思う。すべてを小澤征爾に捧げる、というスローガンには私も強く共感しています。それと同時に、未来につなげる明るさも持った音楽祭であるべきだと思うので、私も演奏を『前につなげる』ということをとても意識しています。これまでの歩みを大事にすると同時に、これからも面白いことをやっていくぞ、という気持ちを演奏から感じ取ってくださると嬉しいです」

2024セイジ・オザワ 松本フェスティバル
2024.8/9(金)~9/4(水) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)、まつもと市民芸術館、松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール) 他
問:セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会0263-39-0001
https://www.ozawa-festival.com
※音楽祭の詳細は上記サイトをご確認ください。