人口増加率全国トップクラスの街で、音楽祭を開催

NAGAREYAMA 国際室内楽音楽祭 記者会見

左より:音楽監督の村田理夏子、パスカル・ドゥヴァイヨン

 千葉県流山市のスターツおおたかの森ホールで、2024年11月2日〜4日に開催されるNAGAREYAMA 国際室内楽音楽祭の記者会見が行われた。2022年以来2回目となる開催で、今回もピアニストのパスカル・ドゥヴァイヨン・村田理夏子夫妻が音楽監督を務める。
 スターツおおたかの森ホールは2019年に開館、秋葉原駅から最短25分の流山おおたかの森駅に直結しており、徒歩1分の距離。客席数は494席、設計監修を世界的に名高い永田音響設計が手掛けるなど、本格的なクラシック音楽、特に室内楽には最適のホールといえる。
 
出演者は以下の10名。

パスカル・ドゥヴァイヨン、村田理夏子(ピアノ)
フィリップ・グラファン、東亮汰(ヴァイオリン)、
キム・サンジン(ヴィオラ)、趙静(チェロ)、
高木綾子(フルート)、チャールズ・ナイディック(クラリネット)
加羽沢美濃(ナビゲーター)、山口由美(ナレーション)

 音楽監督を務めるドゥヴァイヨン・村田夫妻は2019年から生活の拠点を流山市に移しており、この街の印象を次のように語る。
「公園も多く、すごく住みやすいです。また、子どもが多くイキイキしていて絶えずいろいろなイベントが行われています。ゆっくり暮らせるにも関わらず東京にも近く、幸せを感じる街です」
 また音楽祭については、
「フランスでは、20年以上音楽祭を運営していました。そこでは、1ヶ月くらいの間に週に3、4回のコンサートを開催していて、お客さんとの間に家族のような関係が生まれていきました。今回は3日間ですが、プログラムも異なるので同じアーティストだけど違う表情が見ることができます。日々、変化していく音楽を聴きにいらしてください。また、お客さま同士の距離も近くなって、(フランス同様に)家族的な音楽祭を作っていけたらと思います」
と意欲を語った。
 会見では、音楽監督のふたりによる演奏(M.インファンテ:『アンダルシア』より 第1曲「リトモ《リズミックに》」)も披露された。

NAGAREYAMA 国際室内楽音楽祭
2024.11/2(土) 14:00 オープニング・コンサート
11/3(日・祝) 14:00 エスプリ・ドゥ・パリ
11/4(月・休) 11:00 ファミリー・コンサート 16:00 ファイナル・コンサート
スターツおおたかの森ホール


プログラム
⚫︎オープニング・コンサート
W.A. モーツァルト:フルート四重奏曲 ニ長調 K.285
(高木綾子、フィリップ・グラファン、キム・サンジン、趙静)
R.シューマン:「おとぎ話」op.132
(チャールズ・ナイディック、キム・サンジン、パスカル・ドゥヴァイヨン)
A.ドヴォジャーク: ピアノ三重奏曲 第4番 ホ短調 op.90「ドゥムキー」
(フィリップ・グラファン、趙静、村田理夏子)

⚫︎エスプリ・ドゥ・パリ
C.ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調
(高木綾子、趙静、村田理夏子)
D.ミヨー:組曲 op.157b
(チャールズ・ナイディック、フィリップ・グラファン、村田理夏子)
D.ミヨー:「スカラムーシュ」op.165b
(パスカル・ドゥヴァイヨン、村田理夏子)
G.フォーレ:ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 op.15
(フィリップ・グラファン、キム・サンジン、趙静、パスカル・ドゥヴァイヨン)

⚫︎ファミリー・コンサート
M.ラヴェル:マ・メール・ロワ
(パスカル・ドゥヴァイヨン、村田理夏子)
D.ミヨー:屋根の上の牡牛
(フィリップ・グラファン、村田理夏子)
F.プーランク:子象ババールの物語
(パスカル・ドゥヴァイヨン、村田理夏子、山口由美)

⚫︎ファイナル・コンサート
N.ロータ:フルート、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲
(高木綾子、東亮汰、パスカル・ドゥヴァイヨン)
S.ラフマニノフ:2台のピアノのための組曲 第2番 op.17
(パスカル・ドゥヴァイヨン、村田理夏子)
J.ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 op.115
(チャールズ・ナイディック、フィリップ・グラファン、東亮汰、キム・サンジン、趙静)

問:スターツおおたかの森ホール04-7186-7638
https://starts-otakanomorihall.com

Profile
パスカル・ドゥヴァイヨン
 国際的にその名を知られるピアニスト。レパートリーは幅広く、協奏曲のレパートリーは50曲を超える。これまで世界を代表するオーケストラと共演。室内楽でも M. ロストロポーヴィチをはじめとする著名な演奏家と共演。録音は40を超える。2006年、夫人である村田理夏子とピアノ・デュオを結成。執筆活動や講座も盛んに行い、これまで5冊の書籍を出版。パリ高等音楽院教授を経て、ベルリン芸術大学教授、英国王立音楽院客員教授、桐朋学園大学特任教授、ジュネーヴ音楽院教授等を歴任。リーズ国際、ジュネーヴ国際はじめ主要国際コンクールの審査委員を務める。
 フランス政府よりフランス芸術文化勲章“シュヴァリエ”を、ロイヤルアカデミーより名誉会員称号をそれぞれ受章。

【Profile】
村田理夏子
 東京藝術大学卒業後、ベルリン芸術大学大学に留学、満場一致の最高点首席にて卒業。ポルト国際コンクールをはじめ数々の国際コンクール入賞。ベルリン・フィルハーモニーホールにソリストとして毎年招聘され、協奏曲のレパートリーは30曲近くに及ぶ。パスカル・ドゥヴァイヨンとのピアノ・デュオにも力を入れ、リリースした CDは絶賛を博している。室内楽経験も豊富で世界各地の国際音楽祭で演奏を重ね、共演者には多数の著名演奏家が名を連ねる。
 2023年には、初ソロCD「Voyage de l’esprit/エスプリの旅」をリリース、レコード芸術特選盤に選出された。その他、音楽雑誌への記事の寄稿、マスタークラスなど、音楽教育活動にも幅広く積極的に力を入れている。