横浜みなとみらいホール「プロデューサー in レジデンス」
第3代プロデューサーに石田泰尚が就任

石田泰尚 ©Norizumi Kitada Universal Music

 本日7月27日、ヴァイオリニストの石田泰尚が、横浜みなとみらいホールの「プロデューサー in レジデンス」事業のプロデューサー 2025-2027に就任することが発表された。任期は25年4月から27年3月まで。

 2021年度にスタートした同事業は、演奏家がホールと連携し、企画制作から実施までに携わることで、アーティスト自身のプロデュース力の向上をはかるとともに、ホールが制作するコンテンツの創造性を高めることを目指す試み。これまでにカウンターテナーの藤木大地が初代プロデューサー(21-23)を、現在は反田恭平が第2代を務めており(23-25)、石田は第3代となる。

 2001年から神奈川フィルのコンサートマスターを務める石田。14年には自身の呼びかけにより弦楽アンサンブル「石田組」を結成。本格的な演奏とジャンルレスなレパートリー、親しみやすいパフォーマンスで高い人気を誇り、結成10周年ツアーの一環として今年11月には日本武道館でのコンサートを控えている。
 横浜みなとみらいホールには、神奈川フィルの定期演奏会の他、石田組としても14年の旗揚げ公演以降度々登場するなど深い関係にある。こうした背景をふまえ、同ホールには、石田とともに地域に根ざした創造性豊かな事業を制作し、地域の文化拠点としての役割を果たすねらいがあるという。

 みなとみらい地区の複合施設クイーンズスクエア横浜内のイベントスペースでは、本日午前中に石田組によるフラッシュモブが、正午からは同じくミニコンサートが開催され、石田を筆頭に組員10名が登場。ミニコンサートでは、バロック音楽から映画音楽まで幅広いレパートリーをもつこのグループらしく、シベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」やシルヴェストリ(松岡あさひ編)の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などが披露された。演奏後には、用意された客席を埋め尽くす観客や休日を施設で楽しむ通行人たちから、歓声とともに大きな拍手が送られた。

フラッシュモブの様子 (c)編集部
白熱のミニコンサート (c)編集部

プロデューサー就任によせて
横浜みなとみらいホールの開館が1998年、僕が神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任したのが2001年ですので、ほぼホールの歴史と共に歩んできました。神奈川フィルのコンサート以外にも石田組の旗揚げ(2014年)、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(2018年)、ピアノ・トリオ全曲演奏会(2020年)、コロナ禍のバーチャルコンサート(「横浜WEBステージ」/2020年)などチャレンジングな場を与えてくれたホール関係者の方々には感謝しかありません。昨年50歳となり演奏家のキャリア的には折り返し地点を過ぎました。今度はお世話になった方々に恩返しをする番だと思い今回の大役をお受けしました。
まず取り組みたいのは若い人たちの育成です。それもプロの演奏家を目指すような人たちではなく一般の中学・高校の弦楽合奏部、オーケストラ部を対象にしたクリニックを実施し、音楽の楽しさを知ってもらいたいと思います。
もう1つは石田組の組員をフィーチャーした企画です。石田組は今年結成10周年を迎え、毎回本当に素晴らしいプレイヤーが集まってくれています。組員たちをもっと知ってもらうためのリサイタルシリーズなどが出来ればと思います。
そしてこれは実現できるかどうかわかりませんが指揮者、メンバー、プログラムなど全て自分で選んだオーケストラコンサートを開催出来ればと思います。もちろんコンサートマスターは僕です。
横浜みなとみらいホールは音響だけでなくロケーションも最高でアフターコンサートも楽しめる場所がたくさんあります。全国の皆さん、横浜でお待ちしています!
石田泰尚

横浜みなとみらいホール
https://yokohama-minatomiraihall.jp