歌曲「さくら横丁」やオペラなど、叙情的な作風で知られた作曲家・別宮貞雄(べっくさだお)氏が1月12日、老衰のため89歳で亡くなった。別宮氏は1922年東京生まれ。幼少の頃から趣味で洋楽に親しみ、東京大学理学部在籍中に池内友次郎に音楽理論を学んだ。46年日本音楽コンクールに「管弦楽のための2章」で第2位に入賞。48年には歌曲集「淡彩抄」で優勝した。51年に渡仏し、パリ国立音楽院作曲科に入学。ミヨーとメシアンに師事した。54年に帰国し「管弦楽のための二つの祈り」を発表、尾高賞を受賞し作曲家としての地歩を固め、以後活発な作曲活動を続けた。交響曲は5曲、協奏曲は4曲、オペラは《有間皇子》など3曲残している。桐朋学園大学教授、中央大学教授として教育にも携わり、また日本現代音楽協会の委員長を8年間務めた。