【CD】ハイドン 弦楽四重奏曲 作品33-1&バルトーク 同第2番/クァルテット・インテグラ

 すでに国際的な評価を高めてきたクァルテット・インテグラ、2枚目のCDは今年1月に行われたフィリアホールでのライブから(もう1曲は山崎伸子を迎えてのシューベルトの弦楽五重奏曲だった)。選ばれたハイドンとバルトークの作品は、メンバーの解説によれば「推移」という要素で共通している。強固にかみ合った4声が、それぞれの曲を特徴づける移ろいゆく楽想と感情に高いエネルギーを注入し、雄渾な流れをつくる。チェロがパク・イェウンに代わったばかりだが、アンサンブルの一体感と精度にまったく不足を感じない。4人もまた、新たなステージに向かう力強い「推移」のただ中にいる。
文:矢澤孝樹
(ぶらあぼ2024年8月号より)

【information】
CD『ハイドン 弦楽四重奏曲 作品33-1&バルトーク 同第2番/クァルテット・インテグラ』

ハイドン:弦楽四重奏曲 op.33-1
バルトーク:弦楽四重奏曲第2番

クァルテット・インテグラ
【三澤響果 菊野凜太郎(以上ヴァイオリン) 山本一輝(ヴィオラ) パク・イェウン(チェロ)】

収録:2024年1月、フィリアホール(ライブ)
ナミ・レコード
WWCC-8013 ¥3300(税込)