ごほうびクラシック 第10回 LEO 箏リサイタル

ジャンルレスな活躍を続ける気鋭の音色に身を委ねるひととき

左:LEO ©日本コロムビア
右:ロー磨秀 ©日本コロムビア

 第一生命ホールで行われている「ごほうびクラシック」は、音楽によって心や体をリフレッシュしようという人気シリーズ。その第10回に、箏曲家のLEOが登場する。

 LEOは邦楽の世界にとどまらず、クラシックなど他ジャンルの音楽家と意欲的にコラボレーションしている。その越境的な活動を通じて、我々日本人が知っているつもりで、じつは意外と知らない、箏という楽器の可能性と魅力を再発見させてくれる新鋭だ。その響きとリズムは歯切れがよく、一音一音が鮮明で美しい。

 今回のリサイタルでも、箏曲の伝説的な作曲家の宮城道雄や、今野玲央名義の自作曲に加え、クラシックのバッハ、ジャンルを越えて活躍した坂本龍一、アルメニア系アメリカ人ジャズ・ピアニストのティグラン・ハマシアンと、さまざまなジャンルの作品が取りあげられる。

 ロー磨秀のピアノとの共演にも、期待が高まる。二人とも母親は日本人だが、LEOはアメリカ人、ロー磨秀はイギリス人を父親にもつ。また、今野玲央の名で作曲をするLEOと似て、ロー磨秀もクラシックの優秀なピアニストであると同時に、マシュー・ローの名でシンガー・ソングライターとしても活動している。

 安易に伝統に寄りかかることなく、多角的な視点と鋭敏なセンスでそれを見つめなおす、若い二人の共演。鮮度の高いその音楽を通じて、私たちの感性もきっとリフレッシュされるだろう。
文:山崎浩太郎
(ぶらあぼ2024年6月号より)

2024.6/22(土)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 
https://www.triton-arts.net