Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ 2024 ラインナップ

豪華アーティストの演奏を極上の音響で

左より:ピエール=ロラン・エマール ©Marco Borggreve + DG/キャロル・ロト=ドファン(レ・ヴォルク弦楽三重奏団 ヴィオラ奏者)/大西順子/堤 剛 ©鍋島徳恭

 トップクラスのアーティストたちが東京文化会館 小ホールで多彩なプログラムを披露する人気企画「プラチナ・シリーズ」。2024/25シーズンは全4回のラインナップが組まれた。

 第1回(10/8)はフランスのピアニスト、ピエール=ロラン・エマールが登場し、バガテルとエチュードを組み合わせた興味深いプログラムを用意する。リゲティの「ムジカ・リチェルカータ」と、ベートーヴェンの「11のバガテル」および「7つのバガテル」の抜粋、さらにリゲティ、ドビュッシー、ショパンのそれぞれの練習曲集からの抜粋が演奏される。音楽史を一望するかのように、さまざまな時代の小曲を集めたエマールならではのミクロコスモス的なプログラムだ。刺激的な一夜を楽しめるだろう。

 第2回(11/27)は「フェスティヴァル・ランタンポレル」の一環として開催される「レ・ヴォルク弦楽三重奏団 et 上野由恵」。ランタンポレルとは「時代を超えて」の意。同会館の野平一郎音楽監督プロデュースによる音楽祭で、現代音楽と古典のクロスオーバーが特徴となっている。プログラムには現代のフランスを代表する作曲家のひとり、フィリップ・マヌリの「Silo アルトフルートとヴィオラのための」「パルティータI ヴィオラとエレクトロニクスのための」他と、ベートーヴェンの弦楽三重奏曲 op.9-3が並ぶ。フランスのニームの「レ・ヴォルク音楽祭」との連携により実現した企画だ。アルトフルートは第2回東京音楽コンクール木管部門で第1位を獲得した上野由恵が務める。

 第3回(2025.1/24)は稀代のジャズ・ピアニスト、大西順子が登場する。大西といえば、クラシック音楽ファンにとっては2013年のサイトウ・キネン・フェスティバル 松本での小澤征爾との共演が忘れがたい。12年に突然の引退宣言をした大西が、小澤の強い希望により一夜限りの復活を果たした公演だった。その後、大西は15年に音楽シーンに復帰して新たな挑戦を続けている。今回はピアノ・ソロによるライブ。貴重な機会だ。

 第4回(2/22)は日本が誇る重鎮、チェロの堤剛が出演し、ピアノの萩原麻未、尺八の黒田鈴尊と共演する。プログラムには権代敦彦によるチェロと尺八のための新作と、ベートーヴェンの第4番、ブラームスの第2番、ドビュッシー、R.シュトラウスといったチェロ・ソナタの傑作群が並ぶ。ずしりとした聴きごたえを残してくれそうだ。

 お得なセット券も販売される。期間限定なのでお早めに。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2024年5月号より)

【第1回】 2024.10/8(火)19:00
【第2回】 2024.11/27(水)19:00
【第3回】 2025.1/24(金)19:00
【第4回】 2025.2/22(土)15:00
東京文化会館(小)
4回セット券 5/18(土)~5/29(水)の期間限定販売
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
https://www.t-bunka.jp