ドイツ直伝のニュアンスを聴く
高見信行は、豊かな国際経験を持つトランペット奏者だ。1979年岡山に生まれ、2006年日本音楽コンクールの優勝者でもある彼は、03年東京芸大を卒業後ドイツで研鑽を積みながら、リリング&バッハ・コレギウム・シュトゥットガルトの奏者(07〜12年)、ライプツィヒ歌劇場管の首席奏者などを務め、13年秋に帰国した。その高見が、東京オペラシティの『B→C』で、「ドイツ生活10年の集大成」を披露する。演目では、縁の深い名匠直伝のバッハ4曲、ヘンツェとツィーナー(まだ18歳!)の無伴奏曲が要注目。このほかテレマンとネルダの協奏曲、「ドイツの教会で何度も演奏した」サン=サーンスの作品、現代曲ながらメロディアスなピルスのソナタなど、興味深い作品が目白押しだ。さらにコルノ・ダ・カッチャやピッコロを含めた6種の楽器を吹き分ける点も妙味。柔らかく深いロータリー式と華麗なピストン式の音色の違いや各楽器の多彩な特質が、興趣を盛り上げる。共演者もピアノの白石光隆とバリトンの青山貴と豪華。ドイツ仕込みの珠玉の音色に間近で接する好機を、ぜひお見逃しなく!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)
2/14(土)14:00 ルネスホール(岡山)
問:ルネスホール086-225-3003
2/17(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
http://www.operacity.jp