小澤征爾 追悼番組4作品の放送が決定

カラヤンの代役を務めた1986年ベルリン・フィル来日公演の模様も

 2月6日に逝去した指揮者小澤征爾をしのび、3月17日(日)から23日(土)にかけて関連番組がNHK総合、Eテレ、BS・BSプレミアム4Kで放送されることが発表された。さまざまな時期の公演の収録映像からドキュメンタリーまで、“世界のオザワ”が追い求めた音楽の核心にさまざまな角度から迫る。

『小澤征爾 終わりのない実験~“世界のオザワ”が追い求めた音楽~』より

 3月17日(日)にはNHK総合にて『小澤征爾 終わりのない実験~“世界のオザワ”が追い求めた音楽~』を放送。(※北海道・佐賀県を除く)
「中国に生まれ、日本に育った僕がどこまで西洋音楽を理解できるか。一生をかけて実験を続けるつもりだ。」
これは小澤が生涯を通じて語り続けてきた言葉。23歳で海を渡り、“世界のオザワ”と評された小澤が追い求めた音楽とは。NHKに残るアーカイブ映像と証言インタビューでその足跡をたどる。

『小澤征爾指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会(1986年)』より

 3月17、18日『プレミアムシアター』内では『小澤征爾指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会〈1986年〉』、そして『小澤征爾のベートーヴェン「交響曲第2番」』(※BSプレミアム4Kのみ)を放送。
 『小澤征爾指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会〈1986年〉』は1986年のベルリン・フィルの来日公演で、当初はカラヤンが指揮する予定の公演だったが、急病のため急遽小澤が代役を務めることに。これが小澤(当時51歳)とベルリン・フィルの日本での初共演となった。曲目は、シューベルトの交響曲第7番「未完成」とR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。
 『小澤征爾のベートーヴェン「交響曲第2番」』は、80歳を迎えた小澤がサイトウ・キネン・オーケストラを指揮した2015年9月6日、長野県松本市キッセイ文化ホールでの公演を収録したもの。この年は、1992年に始まった「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」が名称を「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」に変更し、新たなスタートを切った年でもあった。(フェスティバルは、総監督の遺志を継いで今年も8月9日〜9月4日に開催される)

『小澤征爾&ズービン・メータ指揮 ウィーン・フィル来日公演2016』より

 そして『小澤征爾&ズービン・メータ指揮 ウィーン・フィル来日公演2016』を3月19日(18日深夜)に放送(※BSプレミアム4Kのみ)。ニューイヤー・コンサートの指揮台に立ち、「名誉団員」の称号を贈られるなど深い信頼関係を築いた小澤とウィーン・フィル。初共演から50年の節目でもあった2016年の来日公演では、盟友ズービン・メータと共にタクトをとった。曲目はシューベルトの交響曲第7番「未完成」ほか。17、18日に放送されるベルリン・フィルの演奏会とともに、二大オケによるシューベルト「未完成」を堪能できることになる。

 さらに、3月23日にはEテレにてETV特集 『小澤征爾 日本人と西洋音楽』(1993年初回放送)が放送される。前年の1992年11月、ベルリン・フィルから「ハンス・フォン・ビューローメダル」を贈られるなど、すでに欧州でも高い評価を受けていた小澤の西洋音楽に寄せる熱い思いを紹介するドキュメンタリー番組。海を渡ったのは、今とは比較にならないほど、アジア人が欧米で音楽活動を続けていくのに困難を伴った時代。当時のマエストロが何を語っていたのか、改めてその言葉を受け止めたい。

【番組情報】
●小澤征爾 終わりのない実験~“世界のオザワ”が追い求めた音楽~
NHK総合:
3/17(日)13:50~14:59(※北海道、佐賀県は別番組)

●プレミアムシアター
BSプレミアム4K:3/17(日)23:20〜翌4:00
・小澤征爾指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会(1986年)
・小澤征爾のベートーヴェン「交響曲第2番」
BS:3/18(月)0:05~翌4:00 ※17日(日)深夜
・小澤征爾指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏会(1986年)

●小澤征爾&ズービン・メータ指揮 ウィーン・フィル来日公演2016
BSプレミアム4K:3/19(火)0:00〜2:19 ※18日(月)深夜

●ETV特集 「小澤征爾 日本人と西洋音楽」
Eテレ:3/23(土)23:00~23:45(初回放送1993年)