ライブ配信で聴く、音楽監督・小泉和裕と九響の集大成

ドイツ音楽の泰斗によるベートーヴェン「田園」&レスピーギ

小泉和裕 (c)勝村祐紀(勝村写真事務所)

 九州交響楽団(九響)は2月24日(土)午後2時から、音楽監督の小泉和裕(1949年京都市生まれ)指揮による「第36回名曲・午後のオーケストラ」をライブで配信する。

 小泉は東京藝術大学音楽学部で「ヤマカズ」こと山田一雄から指揮の基礎を学んだ後、ベルリン留学中の1973年11月にカラヤン国際指揮者コンクールで優勝、「帝王」ヘルベルト・フォン・カラヤンの薫陶を受けつつ75年、ベルリン・フィルの定期演奏会に出演した。「生涯の師といえるマエストロは山田、カラヤンの両先生だけ」と言い切り、「最初は師の手本通りに振り、生涯をかけ、ただ真っ直ぐに極める」方針を貫いてきた。20世紀の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタイン最後の協奏曲演奏でフランス国立管を指揮するなど、順調なキャリアを積んでいたが、40歳の89年に完全帰国。岐阜県飛騨市に古民家を取得、農業も手がける自給自足生活に踏み切った。堅固な人生観に根差した迷いのない音楽は各地のオーケストラ団員から強く支持され、独自の円熟境に至った。

 九響は20代から指揮、2013年から音楽監督を務めてきたが、創立70周年記念シーズンの最後に当たる今年3月末に退き、4月以降は終身名誉音楽監督に就く。ライブ配信するベートーヴェンの交響曲第6番「田園」とレスピーギの交響詩「ローマの噴水」「ローマの松」はいずれも名曲だが、この3曲の組み合わせは滅多にない。彼の下で日本を代表するメジャー・オーケストラの地位を固めた九響、小泉それぞれの集大成を聴けるはずだ。(アーカイブ配信:2/25~3/10)

文:池田卓夫

【Information】
九州交響楽団
第36回名曲・午後のオーケストラ

2024.2/24(土)14:00 アクロス福岡シンフォニーホール

指揮:小泉和裕

●曲目
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調「田園」作品68
レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」P.106、交響詩「ローマの松」P.141

●料金
S席¥6,000 A席¥5,000 B席¥4,000 学生席¥1,500 車椅子席(限定4席)¥4,000円 配信チケット¥2,000

問 九響チケットサービス092-823-0101
http://kyukyo.or.jp
https://curtaincall.media/kyushusymphony(配信)