チョン・ミョンフン(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団

絆深めるコンビで聴く20年ぶりの「春の祭典」

チョン・ミョンフン ©上野隆文

 例年以上に楽しみなラインナップが並ぶ2024シーズンの東京フィル定期演奏会。とくに名誉音楽監督のチョン・ミョンフンが全8回中3回登場することは注目される。各回とも重要演目が並ぶが、その1回目となる2月定期は、自然の美と原始の力をテーマとする新旧名曲プログラムが用意された。

 前半はベートーヴェン交響曲第6番「田園」。チョン・ミョンフンと東京フィルは、20数年前に交響曲全曲演奏会を行い、全集CDもリリースするなど、早い時期から幾度もベートーヴェンに取り組んできており、その度に特別な演奏を実現させてきた。今回はコロナ禍を経て改めて取り上げるベートーヴェンで、その思いはいかばかりか。円熟味と衰えぬ情熱のこもる「田園」になるのは間違いない。

 後半はストラヴィンスキー「春の祭典」。原始的な儀式を精密な計算による技法と管弦楽法で描いた、20世紀音楽の金字塔というべき大傑作。同コンビの上演は20年ぶりとなるが、この間に東京フィルはめざましい進化を遂げ、近年は毎回のように国内屈指のハイレベルな熱演を実現し続けている。そのオーケストラを、無駄のないタクトで最大限のエネルギーを引き出すマエストロが、緻密なコントロールと燃え上がるような熱気でドライブするとなれば、別格の名演が約束されているようなもの。作曲当時の音楽表現を革命的に拡大した二つの傑作が生み出す、深い感動と爆発的なパワー。長く良好な関係を保つチョン・ミョンフン&東京フィルならではの演奏で、一気に堪能したい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2024年2月号より)

第996回 サントリー定期シリーズ 
2024.2/22(木)19:00 サントリーホール
第997回 オーチャード定期演奏会
2024.2/25(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール
第160回 東京オペラシティ定期シリーズ 
2024.2/27(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522 
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