ピアニストの山中明日菜は東京音楽大学を卒業後、フランスをはじめヨーロッパ各国の舞台に立ち、イタリアの音楽祭に招かれるなど国際的な演奏活動を展開。現在は岡山を拠点に後進の指導にあたりながら、ガブリエル・タッキーノのもとで定期的に研鑽を積んでいる。本盤はオール・ショパン・プログラムであり、これは彼女のレパートリーの核を成すもの。透明感がありつつ芯の強さを感じさせる音色は、“語る”要素の強いバラードにおいて特にその魅力を発揮する。ニュアンスに富んだ演奏で聴き手に確かな印象を残し、難易度の高いパッセージは鮮やかに奏されている。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2024年2月号より)
【information】
CD『ショパン:4つのバラードとポロネーズ2曲/山中明日菜』
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、バラード第1番〜第4番、ポロネーズ第7番「幻想」
山中明日菜(ピアノ)
ナミ・レコード
WWCC-7997 ¥2750(税込)