集大成となる公演を二人の大家が彩る
マティアス・バーメルトが首席指揮者として札幌交響楽団との最後の東京公演を行う。スイス出身のバーメルトは、バーゼル放送交響楽団音楽監督、現代音楽祭「ムジカ・ノヴァ」やルツェルン音楽祭の監督などを歴任。2018年から札響の首席指揮者に就任、その演奏も高く評価されている。
今回の東京公演では、生誕200年となるブルックナーの交響曲第6番が取り上げられる。第5番と第7番という大作に挟まれてやや小振りであるが充実した作品である第6番の魅力が、バーメルトの熟練のタクトによって明らかにされるに違いない。演奏会前半にはブリテンの「セレナード」が、イアン・ボストリッジの独唱で演奏される。ボストリッジは、現代最高のテノールの一人であり、とりわけブリテンの歌曲を十八番のレパートリーとしている。この作品ではホルンも活躍し、名手アレッシオ・アレグリーニが参加するのもうれしい。バーメルト&札響の集大成というべき東京公演に期待したい。
文:山田治生
2024.1/31(水)19:00 サントリーホール
問:札幌交響楽団011-520-1771
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