好対照をなすプログラムで、聴き手の感性を刺激する!
人気と実力を併せ持つチェロの逸材、横坂源。日本を代表するクラシック音楽の殿堂ザ・シンフォニーホールでのリサイタルでは、これまでロマン派の作品を中心に取り上げてきた横坂だが、今回は趣向を変えてドイツを代表するベートーヴェンとR.シュトラウスのチェロ・ソナタを演奏し、アンコールのようにサン=サーンス「白鳥」で前半を終える。
そして後半はガラッとスタイルを変えて情熱的なピアソラ作品に挑むという。コンサートタイトルにもなっている「悪魔のロマンス」は、甘美な旋律が印象的な作品。コンサートなどでしばしば取り上げられる組曲「天使」とは違い、レコーディング音源以外では聴く機会の少ない「悪魔」の名をもつ作品群の中の名曲をライブで楽しめる貴重な機会だ。今回のピアニストは、2021年のリサイタルで、横坂と息の合った演奏を聴かせた盟友の萩原麻未だが、その時のアンコールがピアソラの「アヴェ・マリア」と「アディオス・ノニーノ」だった。あの時聴いた衝撃的なピアソラが戻ってくる。期待せずにはいられない。
文:磯島浩彰
2/3(土)19:00 大阪/ザ・シンフォニーホール
問:ザ・シンフォニー チケットセンター06-6453-2333
https://www.symphonyhall.jp