フォルテピアノとギターで誘うオペラの世界
作曲家たちの生きた時代の空気を今に伝え、フォルテピアノのチャーミングな音色とアイディア満載のコンサートで聴衆を惹き付ける平井千絵。彼女が毎回趣向を凝らした選曲で銀座の昼下がりを彩る王子ホールでの『平井千絵“ぴあのの部屋”』が今年も開かれる。昨年夏に引き続き、人気ギタリストの鈴木大介をゲストに迎え、18世紀のギターとフォルテピアノによるフレッシュなアンサンブルを聴かせる。今年のテーマは「わたしをオペラに連れてって」。モーツァルトの《魔笛》のアリアをもとにしてベートーヴェンが書いた変奏曲を、19世紀に活躍したギタリストのカルッリが編曲した作品など、音楽家たちのオペラに対する愛情が重なって結実したデュオ作品などが披露される。平井のソロによるスカルラッティのソナタや、有名な「トルコ行進曲」が主題に展開されるベートーヴェンの「6つの変奏曲」など、文句なく楽しく煌めきを放つ作品群が用意されているのも楽しみだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年12月号から)
12/8(月)13:30 王子ホール
問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990
http://www.ojihall.jp