夜クラシック Vol.30 實川 風(ピアノ) & 周防亮介(ヴァイオリン)

目覚ましい活躍をみせる二人が贈るフランス音楽の夕べ

 気さくなトークを交え、種々の名曲を室内楽編成で聴ける文京シビックホールのシリーズ「夜クラシック」。仕事帰りなどでも気軽に来場でき、シリーズテーマ曲であるドビュッシーの「月の光」を異なる編成で楽しめることで人気を博しているが、今期もベテランから気鋭の奏者まで、魅力的なラインナップで開催中。

 10月13日の第30回は、ピアノの實川風とヴァイオリンの周防亮介を迎える。實川は2015年パリで行われたロン・ティボー・クレスパン国際コンクールで第3位を受賞し、その生き生きと躍動する演奏は高い評価を得た。フランス音楽を中心に、数多くのレパートリーをもち、近年はオーケストラの弾き振りも手掛けるなど、注目のピアニストだ。周防は、10代から国内外のオーケストラと共演するなどその才能の誉れ高く、数々のコンクール受賞歴を誇り、昨今さらに深化を遂げている奏者だ。

 共にソロや室内楽、協奏曲などで幅広く活躍しているが、今回が初共演となる。才能溢れる二人がどのような化学反応をもたらすか、とても楽しみである。フランス音楽が中心のプログラムは、ゆったりとした気分で名作を堪能するのにぴったりだ。「月の光」をはじめ、フォーレの夜想曲第4番など、夜が主題の曲も選ばれた。さらにフランス・ヴァイオリン音楽の名作中の名作であるフランクのソナタやショーソンの「詩曲」では、俊英奏者二人の華麗な名演を楽しめることだろう。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2023年9月号より)

2023.10/13(金)19:00 文京シビックホール
問:シビックチケット03-5803-1111 
https://www.b-academy.jp/hall/