個性派クァルテットが新たな切り口で20世紀の大家に挑む
古典四重奏団の重要な柱となるシリーズ公演「ムズカシイはおもしろい!!」が、今年からショスタコーヴィチを取り上げる。彼らのショスタコーヴィチといえば、2019年に全15曲録音をリリースし、研ぎ澄まされた完成度で本質を抉る演奏を実現、高い評価を得た。その大きな成果を挙げたレパートリーに改めて臨み、さらなる新境地を目指す。
この度の「ショスタコーヴィチの時代」シリーズは全6回。今年は「その1」「その2」を2回ずつ行い、「その1」は2番・3番、「その2」は1番・5番・4番という独特の曲順。この作曲家の15曲は演奏時間や規模にばらつきがあり、組み合わせ方も工夫が必要だが、今年の2回は最初の5曲を独自の曲順で提示する。特に後者は、重厚な大曲である5番ではなく、穏やかな抒情性の中にユダヤ音楽を取り入れた第4番をあえてメインにするなど、その狙いは興味深い。いつものようにチェロ・田崎瑞博のレクチャー付き、知的な観点と心に訴える最高水準の演奏で、ショスタコーヴィチの世界に入り込む。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2023年9月号より)
その1の昼 2023.9/21(木)14:00
その1の夜 9/26(火)19:00
その2の昼 10/26(木)14:00
その2の夜 11/1(水)19:00
ルーテル市ヶ谷ホール、としま区民センター(小)(その1の昼のみ)
問:ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977
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